結局、今年、
頂いたバレンタインのチョコレートは、
‘ゼロ’であった。
本命チョコをもらえなかった、という意味ではない。(本命チョコを、当日、突然にもらっている男など、自分の周りではほとんど見たことないが・・・・)
義理も本命もすべて合わせて、
‘ゼロ’。
パーフェクトにもらえなかった、ということである。
それにしても、イヤなのは、
自分のバレンタインへの「執着」だ。
こんなにも自分が、
このイベントにこだわりを持っているとは思わなかった。
友人から電話で、
冗談まじりに「何個もらった?」と聞かれた。
が、
「どうせなしだろ?」
という発言に腹をたて、
思わず、
「うーん・・・・‘義理’は‘ゼロ’かな・・・・」、
と含みを持たせたセリフを吐いてしまった。
当然、友人は、
「えええええっ!?」と驚愕し、
俺に詰問してきた。
友人「てことは・・・・・本命はもらっってことかよ!なあ!おい!本命もらったのかよぉ?!」
素敵なコウ「フッ・・・・まあ、いいじゃない。」
友人「いや、ウソだろ?義理チョコ、いくつかもらっただけだろ?」
素敵なコウ「まぁ、バレンタインなんてさ・・・‘告白ゲーム’みたいなもんだから・・・じゃっ、」
そう言い放ち、俺は電話を置いたのである。
別に貰っていないなら、
いつもふざけあっている時のようなノリで、
「ZEROだよ!ZERO!」で何にも問題なかったはずだ。
なのに、
スカイツリー級の見栄をはってしまった。
しかも、
帰宅途中、
家が近いその友人に遭遇してしまう可能性があるからと、
俺は、わざわざ、
手作りっぽく見えそうなチョコレートを購入したのである。
万が一、彼に会ってしまったら、
「フッ・・・これ?ああ、手作りみたいよ?まあ、知らないけどさ」
そんな、余裕に満ちたセリフを吐く予定だった。
「なんて俺は気持ち悪い野郎なんだ!」
自己嫌悪にかられながら、
ひとり部屋で食べた、その手作り風の市販チョコレートは、
絶品だった。