地震のときは、池袋ドン・キホーテ前の信号を渡っている最中だった。
ビルがグニャッと曲がったように見えたので、「ああ、めまいだ・・・」と思って頭をふった。
誰かが腕にしがみついてる。
パッと見たら、女子高校生。
「おいおい!これってモテ期の到来じゃないのか!?」
正直、心はガッツポーズを決めかけているところだった。
「いや!ちがう!」
すぐわかった。
池袋のビルの全部が、コンニャクのように不気味にしなっている。
太くて安定感のあるはずの俺の足がナゼかおぼつかない。
「ゴォー」という深い嫌な響き。
波打つ街。
悲鳴。
倒れこむ人々。
地震だ!ついに来ちゃったんだ!この日が!
「もしかしたら死ぬのかもしれない」
相当な恐怖心が俺を襲った。
でも一方で、
「こんなんで死ねるかよ!せめてあと1回デートしてから!」
死に対してダダをこねる、意外に強気な自分もいた。
揺れが静まってくる。
しがみついてきた子に「ごめんね~俺が三浦春馬みたいだったら最高の地震なのにねー」とその時に言える精一杯のギャグをかました。
その子だって死の危険を感じていた時だ。面白いわけがない。
ギャグの点数としたって赤点だ。
でも、ひきつりながらも無理やり微笑んでくれた。
こんな時になんて気遣いのできる子なんだろう。
きっと同じクラスで隣の席だったら、絶対好きになっていた。
急いで、友人に電話する。
おそらく家でひとりだ。
つながらない!何度何度もかける!
50回はかけたただろうか、やっとつながった。
「家の中がグチャグチャ」「どうしたらいいの・・・」
声が震えている。泣き声。
「必ずそっち行くから!」
約束したがいいが、電車は復旧せず。
バスは待っても待っても来ない。
結局、2,3時間かけて徒歩で向かった。
「どうか!どうかそれまで大きな地震が来ないように・・・い、いや、それからも来ませんように・・・」
やっと最寄り駅に到着。
「さあ、あの子の家まで急ごう!」とダッシュをしようとした矢先に、
すでにご家族が助けにいらしてることが判明。
「お、おれ・・・意味ねぇ~」
しかし、ご厚意で、ご家族と一緒に泊めてもらえることに・・・
助けるはずが逆に助けてもらってしまうという、見事な格好悪さ。
自分が嫌になった。
「どこまでも情けないなあ、俺は・・・」と。
でも、翌日、運転再開したての電車に乗りながら、
やっぱこれで良かったんだと思った。
ここで格好つくようだったら、なんだか自分じゃなくなる気がする。
いつでも土壇場で格好悪いのが自分じゃないかと。
でなきゃ、ライブでMCをすることも、このブログを書くことも出来なくなってしまう。
今回の地震で命を落とした方へ・・・言葉がでない。偽善めいたメッセージなんか送れない。
生き残った人々へ・・・ゆっくり休んで、もし立ち直れるようだったら・・・またもう一回、一緒に日本を創っていこうと言いたい。