いつも思い出すのが、高校1年のとき、クラスの男連中7~8人で「ナンパ」目的で花火大会に行ったことだ。
誰かの「俺らが本気出せば、ひと夏の思い出くらい、ラク~につくれるぜ!」という完全なる無根拠のひと言を完全に信じ、いざ「ナンパ」に向かうことになったのである。
僕らはクラス内でも代表的な「非・モテ組」だった。
その実力は、クラスの女の子と話すのがギリギリで出来るくらい。
1,2位を争うカワイイ子相手となると「やべえ、緊張しちゃって手汗かいちゃった~」とか「唇乾き過ぎてくっついた~」とか「思わず目が充血してきたよ・・・」なんてザマだった。
ファッション・センスなんてもう強烈だ。
下のすぼまったジーンズをおばさんのスパッツのように‘ぴっちぴち・スタイル’でまとい、シャツは完全にイン。
生まれてこの方手入れを怠ってきた「まゆげ」は元首相の村山富市のよう。
よっぽど室内犬のほうがオシャレで清潔感にあふれている。
「花火大会」当日。
結局、僕たちは全く女の子に声をかけられなかった。
自分らとそんなに年は変わらないはずなのに、おしゃれで綺麗でカッコ良くて堂々としてて饒舌で・・・そんな女の子や男どもを見たとき、僕ら全員が「ここは俺らの来るとこじゃない」って強く思ったとおもう。
花火大会の会場からはすぐ出てしまった。
ちょっと離れた、人のほとんどいない公園で、いつものように水風船をぶつけあって遊んだ。
一定のリズムで繰り返される、無機質な花火の「ドーン・・・ドーン・・・」という音が哀しかった。
ただもっと哀しかったのは、「ナンパ」に来たというのに全員の髪型が「横分け」だったということだ。