スキンケアの矛盾 | 化粧品開発者のひとりごと

化粧品開発者のひとりごと

many things about skincare

ゴールデンウィーク初日の土曜日、
お肌のお勉強でもいかがでしょうか?

今日は、スキンケアの矛盾、というか・・・
「スキンケアには神のみぞ知るバランスがある」という話し。

「スキンホメオスタシス」と「コルネオセラピー」という言葉聞いたことあります??
あまり聞きなれない言葉ですけど、ここにスキンケアの極意があるんです。

まず、「スキンホメオスタシス」。
そもそも、ホメオスタシスとは生体恒常性という意味で、
例えば、気温が上がると汗をかいて体温を下げて、
熱による体のダメージを防ぐという環境適応のような仕組みのことです。

肌にもこのホメオスタシスがあって、
例えば、厳しい乾燥にさらされると、
水分を逃がさないようにバリア機能(バリア機能とは?)を高めます。
逆を言えば、肌に乾燥を感じさせないように、
過剰な保湿ケアをすれば、バリア機能は低下して、
乾燥しやすい肌になってしまうということです。
つまり、肌に本来の力を発揮させるためには、
ある程度の危機感を与えることが必要なわけです。

一方、「コルネオセラピー」。
このコルネオセラピーが発見されるまでは、
保湿ケアは一過性のもので、
塗っている間は乾燥が防げるけど、
塗るのをやめればまた乾燥すると考えられていました。
ですが、アトピー性皮膚炎や乾皮症など、
バリア機能が低下した病症の人に、
ある程度の期間、保湿し続けて肌の水分量を保つと、
保湿をやめても、もとよりも水分量の高い状態をキープする
肌になるということが明らかになりました。
この様に、保湿で強制的に水分量を高めるケアをすることで、
バリア機能が回復すると言うのがコルネオセラピーの考えです。

つまり、「スキンホメオスタシス」と「コルネオセラピー」は、
まったく相反する考えを示すのです。
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているワケではありません。
両方事実なのです。

つまり、スキンケアというのは
「スキンホメオスタシス」と「コルネオセラピー」のいいとこ取りをする、
絶妙なバランスが重要なのです。
僕が知る限り、多くの女性はやり過ぎ傾向にあって、
スキンホメオスタシスがうまく働いていません。
例えば、乾燥肌がひどい場合も、
コルネオセラピーで底上げしたら、少しずつ保湿ケアを軽くして、
うまくスキンホメオスタシスにクロスフェードすることがポイントです。

そして、とても大切なことはそのバランスを重視して開発された化粧品を使うことです。
まあ、そこをきちんと考えている化粧品はごく稀ですが。。。