つい先日、アメリカに留学した元レッスン生から久しぶりにこんなうれしいメールをいただきました
きっとみなさんにも参考になるかと思い本人の承諾をいただき掲載させていただきましたよ

先生に最後にお会いしてから1年半ほどになります。本当にあっという間です。
私がアメリカに留学してもうすぐ1年になります。
アメリカでの生活は思っていたよりも大変です。
言葉の違いや大学の授業だけでなく、生活習慣や文化、考え方の違いなど、覚悟していたとはいえ実際に生活してみると慣れないことばかりで、来たばかりの頃は些細なことで落ち込むことが多々ありました。
最初は周りの目を気にしたりあまり自分に自信がなかったりと引っ込み思案になっていたのですが、やっとアメリカでの生活に慣れ、また今学期はとても忙しいため嫌なことがあってもくよくよ考える時間がなく、そのおかげか物事に対する考え方がポジティブになり(笑)、だいぶ自己主張ができるようになってきました。
演劇を学ぶ上でも授業内で人前に立つことが増えたせいか、アメリカに来てからの10ヶ月程でだいぶ精神面が強くなりました。(笑)
こちらで演劇を勉強しながら、今になって真理子先生がおっしゃっていたことの意味がわかるようになってきました。
私がアメリカに来て春に初めて演技指導を受けた際、台詞や英語の発音に気をとらわれすぎ、ちょっとしたアクセントや発音の違いが想像以上に周りにははっきり聞こえていたり、母語ではないため相手の台詞への反応が少し遅れてしまったりしてそのことばかり気にしていたのですが……、演技の先生に「言葉の問題じゃなくて心・感情なんだよ」ということを耳にタコができるくらい言われました。
そして最近になって私が今まで気にしていたことはすべて表面的な『かたち』でしかなく、大事なのは『こころ』でどう感じてどう表すかだということに気づきました。
以前、真理子先生にレッスン中や撮影の際などにダメ出しをされたときは何が違うのかまったくわかりませんでした。
正直、先生がおっしゃっていることの意味すらわからなかったこともたくさんありました。(笑)
でも今になってやっと、私はレッスンでも撮影でも『かたち』ばかりを気にしていて、何をしてもそこに『こころ』がなかったということに気づきました。
私のウォーキングが真面目すぎて面白くないと言われたのも、ウォーキングをしていても綺麗に歩けているかを気にしているだけで、表現をする以前にそこに自分自身から滲み出てくる物がまったくなかったからだなと振り返って思います。
だから歩いても布を持ってもコートを着ても踊ってみても写真を撮ってみても人に伝わるものが何もなく、逆にあなたは何がしたいの?という感じでした。
なので今先生のレッスンに通っていた自分を振り返ると余計に、何をあんなに焦っていたのかな?と思います。
もちろん早いうちに準備をすることは大切ですが、焦ったところでプロのモデルになれるわけではないですし、逆に大切なことを見落としていたと思います。
実力もなくそのようなこともわかってないあんな状態でよく学校辞めてプロになるだなんて言えたもんだ、と今は思います。(笑)
他にも、私は人前に立って表現したい、パフォーマンスしたいという気持ちがあってレッスンに通っていたのに、レッスン内でも人にどう思われるか、人の評価ばかり気にしていました。
こちらも最近やっと、人にどう思われるか、どう評価されるかを気にせずに…例え下手くそでも下手なら下手なりにとりあえず自分ができることをやってみようと思えるようになりました。
逆に何もしない方が見ている側は(こちらの人達はあからさまなので余計に)シラケます、少しでも何かすれば見てくれる人はちゃんと見てくれるということがわかりました。
一生懸命やっている人のことを人は笑いませんし、シラケるくらいならいっそ下手くそをさらけだして笑いを取った方が良いと今は思えます。(笑)
こちらに来てからずっと真理子先生に教わったことの大切さが身にしみています。
例えば、服をきちんと選ぶことの大切さや服の着こなし方、服を着た時の印象です。本当にまだまだですが、最近は服を選ぶ際、服のデザインだけでなく、素材、服がつくり出す体のライン、自分の持ってるイメージや雰囲気、自分に何が似合うか、を意識するようになりました。
以前はロック風、強め、黒や暗い色の服ばかりで、似合わないと言われてもよくわかっていなかったのですが、今は脱強め、脱黒、目指せキレイめがモットーです。(笑)先生のおっしゃっていたキレイめな服というのがなんなのか、なんとなくではありますが、少しずつわかってきた気がします。また演劇学部内で年に何回か作品のためのオーディションがあるのですが、皆が作品の内容に合わせて別人のように着飾ってきます。つい先日も、オーディションの際に審査員の方達が実力だけでなくその人のイメージや雰囲気を考慮して配役を決めていることを実感し、服の持つ力と第一印象の大切さにも気づきました。
また写真の大切さも実感しています。モデル・歌手・俳優・ダンサー、どの職業も写真が必要不可欠で、本当に今更ですが、その人の写真が人に与える印象やイメージで仕事が決まるのだな、と思うと少し怖いような気もします。プロのモデルや歌手、俳優の方達の写真の表情を見て、先生がおっしゃっていた『人柄の見える写真』というのはこういうことだったのかな、とこちらも本当になんとなくなのですが、少しだけわかってきた気がします。
本当に今になってやっと真理子先生がおっしゃっていたことがじわじわと身に染みてきています。先生が親元離れてプロを目指している人の方が成長が早いとおっしゃっていたこともよく思い出します。私自身の成長が早くなるかどうかはわかりませんが、甘えられる人がいないというのが自分の目標と自分自身を見据える上ですごく助けになっています。自己満足の域を超えてプロの表現者としてご飯を食べていけるようになるにはとても時間がかかるということも実感しています。留学してからはだいぶ現実的になりました。(笑)
プロへの道のりは本当にはてしなく感じる程長いですし、自分は本当にまだまだだなと思わされることばかりですが、それでも今は日々、小さいことでも何かしら発見があるのが楽しいです。
やはり目の前の課題を一つずつこなし努力あるのみだなと実感しています。先生がプロはオリンピック選手と同じ、とおっしゃっていたことをいつも思い出します。
10代後半という大切な時期に先生に出会い、貴重なことたくさん教わることができたことを本当感謝しています。
季節の変わり目ですので、風邪を引かれませぬようご自愛なさってください。
先生を思い出すだけで元気が出るので、ときどきご連絡させてください。