渋谷にある一見さんお断りの
焼き鳥屋さん。
ボクも、ずっと入れませんでした。
扉を開けると、いつもいっぱい。
そして、お母さんが「ごめんなさいね。いっぱいなの。」と、申し訳なさそうに。
しかし、ある日先輩が連れて行ってくれることに。
どうやら、紹介がないとダメだったみたい。
それ以来、ずっと通わせて頂きました。
もう18年も前の話です。
よく、一人で行っては仕事が辛いなんて事を言って、お母さんに叱られてました。
それに、自称映画少女のお母さんと映画のビデオテープの貸し借りなんかしちゃったりして。
そして、本当の母親のようにいつもボクのことを心配してくれています。
田舎に帰ろうか悩んでいる時も「おまえ、絶対に帰っちゃダメだよ。コッチで一旗上げるつもりで来たんでしょう。逃げるんじゃありません。」と叱られました。
結局、帰ってきたんだけどね。
宇都宮に帰ってきてからも、たまに、お邪魔してました。
そして、先日、年内でお店を畳むという悲しい知らせ。
慌てて電話してみると、もう予約でいっぱいだけど顔を見せろとのこと。
もちろん行きます。
仕事が終わった頃に伺ったつもりが、まだまだ終わる気配なし。
仕方ないので、いきなり扉を開けて、お母さんに感謝の挨拶。
全く知らない人達の中で。
すると、お母さん。
「おい、アクツ。おまえいつまで茨城に居るつもりなんだい!」
お母さん。 栃木です。
「まったく、こんな時間までなにしてんのさ。マセガキなんだから。」
お母さん。 ボクもう40才です。
本当にありがとうございました。
ボクの東京のお母さんなのだ。
長い間、一人でお店頑張ってました。
そして、いつの間にか本まで出して。
いつもみんなに愛されているお母さん。
お疲れ様ででした。

