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「どうなってんだ? 瞬間移動ができねえ」
「やはりそうか ドラゴンボールで若返った影響で
悟空さん 瞬間移動ができなくなってしまったんだ」
「もう~ 肝心な時に役立たない おじいちゃんね」
〜ドラゴンボールGT 第四話〜
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そういえば今日はやけに人と目が合う。
彼女の風貌や振る舞いがそうさせるのだろうか。
魅力的な女性といるときはいつもこの感覚を感じる。
…そうか。
ジンジャーはそんな魅力的な女性を虜にしたいんだ。
彼女たちに
楽しい時間だった、こんな時間をまたすぐにでも過ごしたい
と、そう思ってもらいたいのだ。
9月某日
今月はここまで怒涛の忙しさだった。
早朝から深夜までワークに明け暮れて、ストもトレーニングもできずストレスばかりが溜まっていた。
よくやく落ち着きはじめたこの日、ワークを切り上げ美容室へ。
座席についた瞬間眠りに落ちてしまう。
セットが終わり寝ぼけ眼で鏡を見る。
うん、悪くはない。
そのまま近くのカフェで課題の読書をする。
《自分で自分の限界を決めてはいけない》
ありふれた言葉だが、この言葉がやけに心に残る。
読了。
読書は心の栄養だ。
さあ街に出よう。
少し前の猛暑が噓のように過ごしやすい。
心なしか街の人達の服装も真夏のそれではなくなっているようだ。
駅に向かう途中、前から雰囲気のある女性が歩いてくる。
清楚な服装のスト高だ。
この場面でいけるかどうか…
いかにファーストアプローチまでスムーズに行うかがその日の結果を左右する。
いこう!
フロントアプローチ、オープン
平行トークで和むもすぐに相手の目的地に。
そのまま放流。
しかしあのレベルに躊躇せずフロントでいけた。
悪くない。
続いてもなかなかのスト高。
後ろから追い抜きショルダースルーで。
平行トークが続く。
どうやら友達のバーに向かっているらしい。
和めはしたが結局彼氏グダ崩せず。
それよりも、ここはどこなんだ?
気が付いたらかなり住宅街のほうに来ていた。
そこから駅の方へ向かいやっと見覚えのある景色に…
そのときだった。
誰かが道に入っていった。
顔は見えなかったが、予感がした。
形容できないオーラを感じた。
後を追う。
女性の影を確認し、彼女に近付く。
緊張の瞬間…
…ダメだ…
タイミングを逸して通り過ぎてしまう。
こんなんでいいのか?
いつまで経っても成長しないぞ
幸い相手はこちらに気付いていない。
何か店の看板をみている。
よし!
「もしかして俺と同じもの探してる?」
こちらをみる。
すらっとしたいわゆるモデル体系で、小さな顔のなかで大きな目が存在感を放っている。
パーカーを羽織ったラフな格好だが、ショートパンツからのびる脚はとても綺麗だ。
「お店を探してるの。」
これは…
「おれ友達との待ち合わせまでもうちょいあるから一緒に探そうか、俺もこの辺開拓中なんだ。」
彼女の話し方、顔立ち、立ち振る舞いから彼女の背景を想像する。
おそらく彼女には欧米の血が入っている。
でもそこにはあえて触れない。
・めっちゃ綺麗だね
・ハーフ?どこから来たの?
・モデルやってるでしょ?
そんな言葉は今まで何度も言われてきただろう?
ありきたりな質問はしない。
俺はキミには興味があるが、いまは友達との待ち合わせなんだ。
そんな態度で。
「なんか銀座で販売員してそうだね。」
彼女とはタイプが違う、しかし女性が意外と喜ぶ言葉を投げかける。
「モデルやってるよ。」
(モデルの発音が良すぎる)
「そうなんだ、それより何食べようとしてたの?」
彼女は何かヘルシーなもので食事を取ろうとしていた。
ヘルシーの発音も良すぎてツッコミたくなるがここは我慢。
おそらく彼女は英語での生活が長い。
ここでのいじりはネグではなく彼女の日本語に対するただの中傷になる可能性が高い。
店を見て回る。
ここで友達から残業でかなり遅れるとの連絡が入った芝居をする。
「ホントに大丈夫?」
と彼女は心配してくれながら、一緒に夕食をとる提案を受け入れてくれた。
一軒目のお店は待たせておいて満席だったとかいうふざけた店。
彼女が全く気にしないでくれたのが救い。
次を探しながら彼女が魚を食べたがってることがわかったので勇気を出して自分の最寄り駅周辺にある店を提案。
彼女の答えを聞かずすぐに電話。満席。
彼女は「ここもおいしそうだよ?」と聞いてくるが、美味しいから、と別の店に電話。OK!
彼女も美味しいなら、とさっとタクシーに乗り込んでくれる。
この判断は成長の証。
連れ出した店ではじめて彼女の生い立ちを知る。
イギリスと日本のハーフで21歳。
有名なモデル事務所に所属していた。
彼女の先輩は俺が「いつかこんな女性を…」と夢見ていたうちの一人。
彼女との会話は単純に楽しかった。
が、違和感がある。
場はコントロールできているが、言葉が深く突き刺さっていないような感覚。
「そういえば英語と日本語、どっちを良く使うの?」
「実家にいるときは英語の方を使ってたよ。」
聞けばこれまで付き合っていたのはみんな欧米人。
今は仕事のことを考えて彼氏とかは持ちたくないらしいが、
少し前までホームパーティーなどもよくやっていたそうだ。
海外ドラマでよく見るシーンが頭に浮かぶ。
ああいう種類の人間にジンジャーは通用するのか?
そもそもジンジャーはバーバルなコミュニケーションに重きを置いてきた。
はじめて会った人間の価値観がこちらの言葉で一変していく様に喜びを感じるのだ。
しかし、彼女には通じない。
日本語が共通言語であって、共通言語でないからだ。
こちらが一言一句に持たせる意図が伝わらない。
なら…
方法を変えよう。
ノンバーバルにシフトしよう。
というよりも、ただ楽しもう。
この滅多にない機会を。
「明日早いしお酒はもういいかな。顔もむくんじゃう。」
1~2杯飲んだところでグラスの中身が冷水に変わる。
彼女は確かに楽しんでくれているようだが、仕事柄、飲食の程度をセーブしているようだ。
酔ってる様子は一切ない。
食いつきが全く分からない。
彼女は切り上げようとしているのか?
身体の向きや目線など身体的な反応はどちらともとれない。
《女性の言葉に真実はない。行動に真実がある》
実に素晴らしい名言だが、この場面ではその行動の見極めさえつかなかった。
場面の転換が必要だ。
食いつきが分かるまで粘ろうと考えてはいけない。
連絡先を交換し、今後のデートのプランを立てた。
「楽しかった?」
「うん!すごく楽しかったよ!」
これはどちらだ?
本心なのか?
彼女の眼にジンジャーはどう映っているんだ?
どう振る舞えば彼女を魅了できるんだ?
思考しながら会計を済ます。
彼女はタクシーでもここでも出そうとしてくれた。
少しだけもらったが、こちらの支払いはタクシーと合わせても5000円もかかっていない。
こんな出会いじゃなかったら彼女のような人とときを過ごすのにいったいいくらかかるんだろう。
そんなことを考えながら退店。
店を出るとき見送ってくれた店員が気持ちの良い笑顔をしている。
それは彼女に向けられたものだ。
彼女が感謝を伝え、素直に美味しかったと言っていたから。
その振る舞いはとても美しかった。
タクシーの運転手にもそうだったが、彼女の挨拶や感謝の表現は形式的なそれではない。
相手の眼を見て満面の笑顔で表現する。
それが相手の感情を引き出す。
彼女は正直な人だった。
食事中も分からないことには首を傾げて質問してきた。
欧米人によくあることだが、だからこそ一つ一つの振る舞いに真っ直ぐな何かが宿る。
自分は?
どういう言動がどういう結果を生み出すか、想定通りに進んでいるか、修正は必要か、この行為は有益か無益か…
そんなことばかり考えながら会話している。
今日は出来る限りそれを避けたけど、かといって素直になれていたか?
そういえば今日はやけに人と目が合う。
彼女の風貌や振る舞いがそうさせるのだろうか。
魅力的な女性といるときはいつもこの感覚を感じる。
…そうか。
ジンジャーはそんな魅力的な女性を虜にしたいんだ。
彼女たちに
楽しい時間だった、こんな時間をまたすぐにでも過ごしたい
と、そう思ってもらいたいのだ。
「一駅だけ歩こうか。」
そういって退店したが、気付いたら店から程近い自宅前を通るところだった。
「もう少し話したいから少しだけ休憩していこう。」
自然と出た言葉だった。
本当にこのときはs/○/xとか即とかどうでもよくて、ただもっとジンジャーのことを知ってほしかった。
彼女は少し驚いていた。
ジンジャーは鍵を取り出し中に入ろうとする。
[キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン]とかそんなルーティンは頭になかった。
彼女はついてきてくれた。
ソファに腰掛け写真を見ながら旅行の話をする。
ここには何の計算もない。
ただ気になったものを一緒に見て2人で共有する。
それだけ、でも充分。
彼女がトイレにいく。
「そろそろ行かなくちゃ。」
彼女がそう言うと同時に、後ろから抱きしめる。
「思ったより背高いんだな。」
「モデルの中では普通だから、そう言ってくれてちょっと嬉しい。」
「もう少しだけ話そうか。」
そう言いながら、そこからの2人に言葉は必要なかった。
柔らかく血色の良い彼女の唇に優しく触れる。
彼女はその華奢な両腕をジンジャーの首にまわし、ぎゅっと精一杯抱き返してくる。
2人は激しく求め合う。
彼女の肌はとてもきめ細やかで、少し前まで10代だったことを裏付けていた。
服を脱がすとそのスタイルからは想像していなかった豊満で張りのある胸が露になる。
アンダー◯アは欧米の血を引いているだけあり綺麗に処理されていた。
彼女はやはり美しかった。
彼女のなかに自分のJr.を沈め込んでいく。
ハーフでモデルで若くて愛嬌があって…
他の男たちは放っておかないだろう。
いろいろな誘いがあるだろう。
そんな女性と出会って2時間足らずで1つになる。
ストには夢がある。
これまで何キロ歩いただろうか。
何時間さまよっただろうか。
罵声を浴びたり、旅先でウイングと本気で口論したり、
たった1人で明け方まで何も出来なかったり、
活動そのものの意義を見い出せなかったり…
それでも、これがあるからやめられない。
もっともっと彼女を魅了してやる。
そう思いながら腰を振る。
…ちょっと待て、何だこれは
彼女の締め付けがものすごい刺激をJr.に与えていた。
我慢しろ!彼女を虜にするんだ!芸能人だぞ!
これまでの欧米人に負けちゃいけない!
しかし、彼女の表情、声、感触、そして何より彼女のステータスからくる緊張が、ジンジャーにこれまでにない感覚をもたらした。
ヤバい…!!
「えっ?」
彼女は正直な人だった。
「…」
頼む…そんな表情で見ないでくれ…
中学で初めて女性を知ってから、研究と実践を重ねてきたつもりだ。
相性があるから一概には言えないが、それでも自信はあったし、これまで満足してもらうことが多かった。
自分でコントロールできていた。
そもそもジンジャーにとってs/○/xは自分ではなく相手を気持ちよくさせる行為。
行為後の、あのとろけた表情を見るのが好きだった。
それなのに…まだまだ楽しませ、楽しみたかったのに…
今まで経験したことがないタイミングで果ててしまった。
言い訳を探せばいくらでもある。
連日の激務による疲労と睡眠不足、食生活の乱れ、彼女のステータスとそれを手にした高揚感…etc.
しかし、こんなもの数えたところで虚しいだけ。
ジンジャーに好意を抱き信じてくれた女性を一度落胆させてしまった。
それが結果だ。
後戯でなんとか彼女を導いたが、自分の望む形じゃない。
それでも彼女は楽しかったと言ってくれた。
手を振る彼女を駅のホームで見送り帰宅する。
くそ!くそ!くそ!
悔しい!!
俺は抱いたという事実じゃなく、虜にしたという結果が欲しかったんだ!
肝心なときに役に立たない。
いや、Jr.のせいではないだろう。自分の心の問題だ。
彼女に、いや彼女のステータスに必要以上にびびっていたのだ。
もっと強くなろう。もっと成長しよう。
即とか準即とか、そういうことではなく、男として魅力的になろう。
自宅のPCで彼女の名前を検索してみる。
雑誌だけでなくCMやPVにも出演していた。
どれも見たことがあるものだ。
YouTubeで再生すると、確かにそこで彼女は輝いていた。
画面の中の世界はとても遠いものだと思っていた。
でも、つい先ほどまでこの手にそのぬくもりを感じていたのだ。
《自分で自分の限界を決めてはいけない》
この日に読んだありきたりだが大切な言葉を反芻する。
俺はまだまだやれる。
もう一度言おう。
ストには夢がある。
ありがとう。
どきどき出来たよ。
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火の鳥さんオマージュ記事
http://puahinotori.blog.fc2.com
火の鳥さん、面識もない人間がいきなりお願いしたにも関わらず
快く許可をいただきありがとうございました!
