完成品 MS-06R-1A ザクII シン・マツナガ大尉専用機 | Modelers Survey Service

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MG(マスターグレード)を中心に、ガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)の製作過程や完成品などを紹介します。模型の作例はジオン軍のMS、中でも一年戦争時のエースパイロットの専用機やMSV関連の機体が大半を占めます。1/100の旧キットとのミキシングもやってます。

MS-06R-1Aは、R-1(初期量産型)の問題点を改良した高機動型のザクIIです。
作例は「ソロモンの白狼」の異名を持つ宇宙攻撃軍所属のエースパイロット、シン・マツナガ大尉の専用機として製作しました。

使用キット:MG 1/100 MS-06R-1 シン・マツナガ専用ザクII Ver.2.0

シン・マツナガ専用ザク1


シン・マツナガ大尉は模型企画「MSV」に登場するジオン公国軍のMSパイロットであり、ジョニー・ライデン少佐と並び、同企画を代表する人気キャラクターのひとりです。

大尉の乗るR-1Aは、異名の通りにホワイトを基調とした塗装が施され、二つ名の由来である白い狼を模したエンブレムと、「WW」のマーキングが施されているのが特徴です。
WW の意味は「White Wolf = 白狼」というのが定説のようです。


となると、ジョニー・ライデン少佐の高機動ザクの肩に記された「RB」のマーキングの意味も気になってくるところですが、これは設定誕生のきっかけとなった実在した独軍のエース「マンフレート・フォン・リヒトホーフェン」の異名「Red Baron (赤い男爵)」が由来に違いありません。
「RB = Red Blitz = 真紅の稲妻」説もあるようですが、これは後年の後付け設定でしょうね。

時代や商品計画と共に刻々と変化していくMSVに確実性を求めること自体が不合理です。
次々にトンデモメカの数々を世に送り出すMSV-Rも含め、そのあたりを楽しむこともファンのたしなみかもしれないと私は考えていたりします。




シン・マツナガ専用ザク2


カラーリングは、組み立て説明書の指示を参考に自身でアレンジを加えながら塗装しています。

カラーレシピでは、メインの機体色のホワイトが「ホワイト(95%) + セールカラー(5%) + イエロー(少量)」と指定されていましたが、高潔な武魂(もののふだましい)を表現するために「ホワイト+ブルー(少量)」に変更させていただきました。
使用したホワイトは、Mr.カラーGX「GX01 クールホワイト」です。
それに伴い、グレー部分のカラーも合わせて調整してあります。




シン・マツナガ専用ザク3


いざ塗装工程に入ってみてわかったのが、「ホワイトを塗装することの難しさ」でした。

4年ほど前に模型製作をはじめ、どちらかと言うと強い色調の色ばかりを塗装してきた私にとって、無彩色のホワイトがこれほど塗りづらい色だとは思ってもいませんでした。

塗り心地、とでもいうのでしょうか、どうも他の色と塗装の感覚が違います。
なんとか全パーツ塗り終えることができましたが、塗装後のパーツを見ても、納得できるレベルとは到底思えませんでした。
スミ入れとツヤ消しのクリアコートでなんとか見られる及第点の仕上がりにはなりましたが、いつかシン・マツナガ専用ザクには再挑戦してみたいと考えています。




シン・マツナガ専用ザク4


マーキングは専用のガンダムデカールを使用していますが、スパイクアーマー用のデカールだけはキットに付属しています。

このデカールなのですが、スパイクアーマーの曲面にきれいに貼るのが至難の業ですので、これから挑戦される方は、どうかマークソフターの用意をお忘れなく。



シン・マツナガ専用ザク5


先述の通り、シン・マツナガ大尉はMSVから生まれたエースパイロットたちの中でも、極めて人気の高いキャラクターであり、様々なコミック、ゲーム、模型企画などに登場しています。

大尉はドズル中将を兄のように慕い、視察という名目で戦場に赴くドズル中将の機体の傍らには、必ず白い影が控えていたと伝えられています。

しかし、大尉はソロモン防衛戦の直前に本国に召集されたため、ドズル中将の戦死の報をサイド3で聞くことになりました。


その後の消息は不明とされていますが、専用機とおぼしきMS-14JG ゲルググJが目撃されていたり、長谷川祐一氏のコミック「機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン」ではジョニー・ライデンと共にジオン公国軍残党「真・ジオン公国議会」首謀者Dr.Qの操るパーフェクト・ザクを撃破したり、「ガンダム新体験-0087-グリーンダイバーズ」ではカラバ所属の傭兵「グレイ・ウルフ」としてゼータガンダム3号機B型「グレイ・ゼータ」のパイロットを務めた、など多くの眉唾物の逸話を残しています。




シン・マツナガ専用ザク6


一年戦争時の撃墜スコアは、MS撃墜数141機、艦船撃墜数6隻とされ、これはジオン公国軍側で第5位の記録です。
しかし、ソロモン防衛戦時はサイド3本国に召集されており、ア・バオア・クー攻防戦にも参加していないマツナガ大尉がこれほどの撃墜数を記録したことに疑問視する声も少なくないそうです。


とは言え、このランキング自体がにわかには信じ難いものである以上、重箱の隅をつつくような真似はせず、可能性のひとつとして楽しむのが粋というものではないでしょうか。

現在、ガンダムエース誌にシン・マツナガ大尉を主役に据えた「機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ」という仰々しい題名のコミックが連載中です。
(虹霓は こうげい と読み、虹を意味する言葉です)

単行本もそろそろ発売される頃なので、ジョニー・ライデン少佐と並び称される一年戦争の英雄「白狼」シン・マツナガ大尉に興味のある方は、読んでみるといいかもしれません。
もちろん私は毎号チェックしていますよ。


以上、「MS-06R-1A ザクII シン・マツナガ大尉専用機」でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!