小中高とずっと一緒に過ごしてきた友人がいる。
彼の影響でギターを始めたり、酒を覚えたりと、今の自分を形成する上で欠かせない時期を共に過ごした。
勿論、法的には飲酒も喫煙もイケナイ未成年時代のお話。法に触れることは、大概ヤツと共に経験した。ま、誰しも経験する類ではあるけれど、あの頃はどうだったと思い出に耽る自分に、随分と年月を重ねたんだなと改めて振り返りつつ。
つい二週間ほど前のお話。
いつも職場までは、徒歩かチャリ。まぁすごく近い訳。
いつものルートでダラダラと、まだ覚醒しきらぬ体を従え行くと、自宅近くのコンビニ前、自動販売機になにやら気になる父と子の姿。
父の方はBOZU頭にノースリーブのマッチョ系。子供は恐らく三歳に満たない位の男の子。
そのマッチョな後姿に見覚えがあり、通りすがる寸で横顔を捕らえた。やはり冒頭の友人Nだった。
子供が生まれたと、赤子を抱え顔を見せに訪ねて来てくれてから早三年。自分の名前を言えるほどに成長した息子を連れた立派な父親になっていた。
巡り合わせか腐れ縁か、学生時代もそうであった様に、私の現自宅と徒歩5分と掛からぬマンションに越してきたのだと云う。
この友人N。兎に角、バイオレンスな人生を歩んできた男。公に出来ぬ事も少なくない。
一緒に過ごす酒の席でも、何処へ出向こうが、まず平和な時を過ごさせてくれた試しのないキレやすい男だった。
そのくせ、酒に酔うと自らをさげずみ、涙ながらに孤独を嘆いていた。そんな弱さも見せてくれる距離にいた間柄だったせいか、トラブルに巻き込まれようと、不思議と厭と感じたことは無かったし、力になろうとも努めた。
お互い社会人となり、それぞれの生活を過ごし、共に過ごす時間も今となっては無に等しいけれど、向き合うスタンスは変わらないんだと、数分の再会ではあったが、少し照れくさそうに笑うNの顔に見て取れた。
奴の好きそうな名前「リュウ」と名づけた息子の手をとり、昔よりも柔らかくなった目元を緩ませ、「またな」と別れた。
なんだか無性に嬉しい朝だった。
次に飲むときは、平和なひと時を期待しているが。
奴が気に入っていた「rage against the machine」の「Killing in the Name」。スノボに向かう車でよく聴いたな。