オリンピック女子柔道決勝、素晴らしい一本勝ち。名前は忘れてしまったが、インタビューに答える笑顔が素敵だった。

 

 そんなテレビを横目に、読み始めた「しゃぼん玉」。乃南アサ著

 

 

しゃぼん玉 (新潮文庫 の 9-36)/乃南 アサ
¥540
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 浮遊したしゃぼん玉の様に、何れは弾けて消えるだけと、今だけを生きるためだけに他者を省みぬ犯罪を繰り返す翔人。

 

 罪から逃れる為、ヒッチハイクと窃盗バイクでたどり着いた場所は、これまで過ごした荒んだ世界とはまったく別の温かさと人情に溢れる山間の村だった。

 そこで出会う人々と触れ合う中で、浮かび上がる翔人の心の闇と暗い過去。そして同じく浮かび上がる忘れていた感情。

 


 決して他人事として済まされない心の弱さを主人公・翔人は持っていた。だからこそ、深く感情移入できた作品だった。

 

 都会が全て悪いのではなく、田舎だから良いというものではなく。ただ少し都会には自分を見つめなおす隙間が少ないんだろうな。

 私も疲れると田舎が恋しくなる。延々と続く田園風景、山並に消えていくオレンジの夕日。そんな景色を見ているだけで、ふっと肩の力が抜けていく気がする。

 

 またばぁちゃんのナスの味噌汁が飲みたくなった。