ここでは、モデル誤差抑制補償器の概要を説明します。詳しいことは、
に記載されている参考文献をご覧ください。しかし、このブログを読むだけでおおよそのコンセプトや概要はわかります。
①はじめに
制御においては、対象の数理モデルが重要なことがかなり多いです。コントローラを設計する際には以下の手順を踏むことになります。
1.制御対象に入力を印加し、出力応答を調べる。この入出力応答から数理モデルを導出する。
補足:数理モデルは主に微分方程式の形で記載されることになります。
2.1.で求められたモデルに対して、応答が良好となるようにコントローラを設計する。設計は計算機シミュレーションによって行うことがほとんどである。
補足:コントローラも主に微分方程式であらわされます。仕様や条件により、どのような設計法が良いかは異なるものの、計算機上で良好なコントローラを設計する既存の方法は数多く与えられており、おおよそ、2.のプロセスによってコントローラを求めることが多いです。
3.2.で求められたコントローラを制御対象に適用する。
補足:制御では、制御対象をコントロールしてはじめて意味があります。2で求められたコントローラがモデルに対して有効であるならば、制御対象に適用しても有効でしょう。
通常、1-3の手順を踏むことで、制御系設計が終わります。しかし、もしモデルと制御対象のダイナミクスに差がある場合、2.でモデルに対しては良いコントローラになっていたとしても、3.で制御対象に対してはひどい制御結果になる場合があります。