夫は、子どもたちにとって理想の父親だった。
私にとっても優しくて、いい夫だった。
休日には子供たちを公園へ連れて行き、その間に私は普段手が回らない
家事をやったり、子供たちから離れて一人の時間を楽しんだり・・・
夫は寝る前には子供たちと布団の上で戦いごっこしたり、読み聞かせしてくれた。
幼稚園の運動会や参観日も、仕事を調整して必ず来てくれた。
子供が体調不良の時もできる限り仕事を早く切り上げて帰宅してくれた。
周囲からは「子煩悩で優しいご主人ね」と言われ、私自身もそう信じて疑わなかった。
今でも私はこの時の生活を全部が嘘だったとは思ってはいない。
でも今となっては全部を信じ切ることもできなくなった。
人は変わるのだろうか。
それとも、夫は最初から複数の顔を持っていたのだろうか。

