クビ | 認知症の義母と嫁の私

認知症の義母と嫁の私

認知症の義母との話つづります

 
 
義理姉から連絡があった。
今日は保育園に出勤簿の印鑑を探して欲しいと言ったみたいだ。
 
前に、出勤簿の印鑑を通帳印にしていたからであろぅ。
 
でも、管理が出来なくなり、通帳、印鑑ともなくしている。
 
確かにお金がないのは不安でたまらないだろぅ。
 
ここが辛いところで預けたら確実になくなす。
 
勿論現金もだ。
 
「お母さん。」
 
「光ちゃん。保育園クビになった。ボランティアなら来てくれたらいいって言われた。冗談じゃないわー。アホらしゅうもねー。何がボランティアよ。」
 
「うん。わかったよ。」
 
洗い物をしていたら綺麗なお花があった。
 
「このお花どした?」
 
「貰ったんじゃねんかなー。」
 
「可愛いから絵描いて。」
 
今日は義母自ら画用紙とクーピ、鉛筆を用意して描きはじめた。
 
やっぱり上手い。
 
「銀行がはちゃめちゃになったから今一生懸命考えようたんよ。」
 
「大丈夫。○○(長男)が全部してくれるから。」
 
「うん。」
 
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義母の描いたお花。
 
「理由も言わずにクビでボランティアとはどういう事?」
 
「わからんけど、年齢とか?」
 
「そう言われたらわかるんじゃけど。理由もなしにクビじゃからな。」
 
どうも保育園の事に悔しさを感じているみたいだ。
 
「それよりも○○(長男)が年金をつかようる気がするんじゃけど。」
 
「光熱費とか引き落としがあるから使ってないよ。」
「つかよーらん?」
 
「うん。」
 
「それならええけど。保育園のお金もくれるんじゃろーか?」
 
「くれるよ。心配せんでいいよ。」
 
「うん。20日まで待つわ。」
 
「明細くれるよ。」
 
とかなり、お金の事が気になるようだ。
 
仕方ない。
 
「お母さん。叉明日来るな。」
 
「うん。毎日有り難うなー。」
 
「気にせんでいいからゆっくり寝てなー。」
 
と義母の家を出た。