「祝婚歌」   吉野弘

ふたりが睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気づいてるほうがいい

完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだとうそぶいているほうがいい
ふたりのうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい


立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず

ゆったり
ゆたかに
光を浴びているほうがいい

健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい

そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
ふたりにはわかるものであってほしい




(著作権フリーにされているようなので掲載しました)

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吉野弘さんの「祝婚歌」

大好きで大切な詩キラキラ☆


私が高校生だった十数年前に、配られたプリントに載っていた詩。


とても感動して、そのプリントだけは大切に大切に取っておいた。

1人暮らしを始めるため家を出ても、社会人になっても

このプリントだけは、実家の机に残しておいた。


いつかこの詩を、誰かの結婚式で使えたらいいなぁと

漠然と思っていた・・・。



その思いは私たちの結婚式で叶った。



そしてこの詩を額縁に入れて記念に飾っていた。

しかし数度の引越しのためいつの間にか

ダンボールの中に・・・。


久しぶりに探して、読み返してみる。

やっぱりステキな詩マルキラ☆ 好きだなぁ




4/16 今日は私たちの結婚記念日。



いつまでもこんな気持ちを持ち続けられますように・・・きら