金木犀の甘くて透明な香りが夜気に潜んで、溶けている。

肺へと取り込む空気の中から、その儚い香りに意識を集中する。
香りのはしっこを捉えて、もっと深くまで入り込みたくても、息を吐くと私の中からすーっと抜けていってしまう。
それが好きだ。


ネイビーと濃いすみれ色とビリジアンが幾つもの層になって混じっているようなキャンバスに、金粉を天の川みたいにふりかけたら、こんなに官能的な秋の夜が表せられるのだろうか。





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世界はきっと私たちに甘くて甘くて甘くて甘い。


それすら感じ取れない私たちは、自分の心のフィルターをかけて見てしまっているだけだ。

感情という自分だけしか共有できないフィルター。



なんてなんてなんて傲慢なんだろう!




私の内側の世界の外側に広がる本物の世界を見られる日はいつ来るのだろう。











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