帰りの電車で疲れて半分眠っていた所へ、目の前に五十代位の男女が乗ってきた。


あいにく私のiPodが電池切れで、二人の会話は聞くとも無しに聞こえてきてしまった。


二人は最初は台湾について話していたが、女性の方がある有名な姉妹の長女と仕事で何度か会ったことがあると話を始めた。


私は知らなかったが、その姉妹は早くに両親を亡くし、両親の残してくれた遺産で、親戚にも頼らず二人で生きてきたらしい。


半分眠っている私の頭の中にも、その話はするりと入ってきて、そのまま聞いていると、その女性の友人も、早くに両親を亡くし、はたちくらいの時に姉と二人きりになってしまったそうだ。


しばらくは手紙のやりとりも続いていたそうだが、その姉と仲が悪かったらしく、その友人は自殺をしてしまったそうだ。


「だから、同じような境遇なのにどんな違いがあるのかと思って…」と言っていた。





偶然聞こえてきてしまった、その女性の友人のご冥福を思わず祈ってしまった。


まったく見ず知らずの、何十年も前に命を絶った人なのに、とても胸が苦しくなった。


きっと私が聞くべきタイミングだったのだろうと思う。







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