友人
ブログネタ:夏になったら思い出すことは何?
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蒸し返すような暑さの昼下がり、雨が降るか少し心配な雲行きで、近くの山肌にかなり雨雲が近い。
山の天気は変わりやすい。PCの画面とのにらみ合いに疲れ、窓の外を眺めてそうぼんやり思っていた。
信吾が倒れている。という連絡が会社に入った。最初は疲れからだろうと誰もが思った。
否。
信吾は、27で自ら命を絶った。
理由は不明だが、遺書が会社のデスクの中に入っていた。
警察の実況見分で、刑事さんから会社のデスクの中を調べてほしい、との命令があった。
遺書が見つかった。みな泣いた。理由も分からないが、もう帰ってこないという事実だけが突きつけられた。
その日、皆仕事ができなかった。
告別式は晴天、不快感を感じる暑さも今日までの出来事が、思考を停止させ、どうでもよく思えた。
式には、会社の関係者が集まったり、親族、大学の同窓生が集まっていた。
読経が始まると雨が降った。
みんなの涙だと、誰かが言った。
涙はない。涙は流さない。共に闘った過去のことばかり思い出した。
千の風が式の終了で流れた。涙はない。
もうすぐ夏だな。
火葬場に向かう車のなかで、ぼんやりと照りつける日差しを受け止めているだけだった。
千の風になってがこの年ヒットした。
もうすぐ夏。もう一年。
やっと涙が出た。
今年も暑くなりそう。