未来の約束 5 | ももたろう子のブログ

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「宮」大好きで、お話を書いていました。
引っ越し中です。

「着く早々・・・本当に申し訳ありません。」
ユルは、到着したチェギョン姫の一行に深く頭を下げた。

「いいえ・・・流石に素晴らしい護衛官です。何事もなく、ここに来れてほっとしています。」
ガンヒョンは、ユルの言葉に答えるようににっこりと微笑んだ。
チェギョンへ姫と入れ替わっているなど・・・思ってもいないようだ。


「それでは、訪問団の歓迎の宴を始めましょう。今日は、ゆっくりと過ごしてください。」
ユルの声で、音楽が始まり、数名が踊り始めた。
会場は、華やかな雰囲気に包まれる。



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「こんな所にいていいのか?姫の護衛は?」
廊下を静かに歩くチェギョンにシンは後ろから声をかけた。

「へっ・・・」
誰にも見られずに会場を抜け出したはずだ。
チェギョンは驚いて、くるりと体を回した。
シンが立っている。

「なんで・・・・」
チェギョンは、どうして彼がいるのかと驚くしかない。
その場からずずずと後ろへと下がる。

「不審な動きをする者をチェックするのが護衛の仕事だ。会場から抜け出す者を見過ごすはずもない。そうだろ?」
自信ありげにそう言われてしまえば、認めるしかない。
さっきの不審者の時の対応も完ぺきだった。

「そっか・・・これも流石なんだ・・・・姫はユル様の傍にいるから大丈夫でしょ。ちょっと・・・いろいろ見せてもらおうかと・・・」
「何を見たいんだ。」
「えっ・・それは・・・建物とか・・・文化的なことに興味があるから・・・」

チェギョンは、構造物や装飾、造形に目がない。
違う国に来たら、興味がわいて仕方がなかった。
今回は護衛になっているのだから、比較的自由に動き回れる。
他国の文化を知ることは、他国を理解することにもつながる。


「護衛のくせに、高尚なんだな。良かったら案内しようか・・・俺といれば不審者扱いはされないから。」
「ホント!!」
チェギョンの瞳が輝く。

シンとしても
なぜチェギョンが自分の夢に出てくるのか
それを探りたかったし、聞いてみたくもあった。
チェギョンを付けてきたのも偶然ではない。
会場に入った時から、ずっと目で追っていたからだ。



「凄く洗練されているよね。私の国は、古い文化的なものをすごく大事にしているから、随分違う印象を受ける。やっぱり、機能性を大切にしているのかなあ?」
チェギョンは、あちらこちらにせわしなく動き、話も止まることを知らない。

「ここは?」
大きなドアが目に入る。
「ああ・・・ここは、国主の間だ。王が日頃政務に使うところだよ。見るか?」
「いいの?」

チェギョンの瞳がさらに、きらきらと輝く。
見ていて眩しいほどだ。
シンもつられて笑顔になる。
シンは、扉の前を守る兵に指示を伝えた。

ゆっくりと扉が開く。
国を象徴する、王の間。
贅は尽くされているのだろうが、そうは思えないほど洗練されて無駄がない。

「凄い・・綺麗・・・・」
うっとりと眺めるチェギョンを、シンは少し離れて見守った。


やはり、あの夢の女性に間違いない
シンは、確かめなければと、チェギョンに一歩踏み出した。