さて、毒親だった母親に育てられた僕が、
どんな子どもだったかと言いますと、
正直言って、かなり尖っていました。

基本的に人を信用していませんでしたし、

他者とまともなコミュニケーションが取れるわけもなく、常に孤立していたように思います。


特に、思春期特有の女子が持つ、
あの独特の“嫌な感じ”がとても苦手で、

女子とは関わりたくありませんでした。


最初に女子に強い違和感を覚えたのは、

小学1年生の時でした。

同じクラスに仲良くしていた男の子がいたのですが、

ある日、自分の席に戻ると、

教室の奥の方で数人の女子が、こちらを見ながら、

ニヤニヤクスクスと笑っていました。


何だろうと思って机の中を覗くと、

そこには相合傘を差した男女の絵と、

僕とその男の子が「らぶらぶ」といった内容の、
拙い文章が書かれた紙が入っていました。

それを見た瞬間、
僕が感じたのは恥ずかしさでも照れでもなく、
ただただ
「心底くだらない」
という感情でした。

男女だから、そういう発想になる。
その考え方自体が、とても貧相に思えたのです。

その後、どういう経緯で、
その手紙が先生に伝わったのかは覚えていませんが、
放課後、僕とクラスの女子たちが集められ、
先生は
「この手紙を書いた人は正直に手を挙げなさい」
と言いました。

そのとき僕の頭にあったのは、
(くだらなさすぎる。早く帰りたい)
それだけでした。
手を挙げるわけがありません。
そもそも、犯人が誰かなんて分かりきっていました。
ニヤニヤクスクス笑っていたあの子たちです。

結局、誰も名乗り出ることはなく、
「もう二度としないように」
といった、よく分からないまとめ方で、
その時間は終わりました。

そして悲しいことに、この事件をきっかけに、

その男の子とは二度と同じクラスになることは

ありませんでした。


数少ない友達を、

僕はその紙切れのせいで失ってしまったのです。