僕はシロ。
体が白いからシロなんだって。

僕はあったかいお家で
眠っていたはずなんだけど
目を覚ますと
雨の音しかない場所で
ひとりぼっちでした。


冷たい雨が体を濡らす
寒さで声が思うようにでない

お母さんもお父さんもここには居ない
僕は独りぼっち離ればなれ
寂しいんだ
いくら鳴いたって
だれも気づいてくれない

鳴き声は雨にかき消され
雨はぼくの涙になりました


目をあけると
ここはどこ?
雨はもう聞こえない
冷たい床
狭い部屋
悲しい瞳がたくさんあふれている
僕は怖くなった
みんな鳴いていて
どこかもう光を失ったかのような
瞳でうつむく者もいた

「あと3日・・・
でれるといいね」
隣の部屋のおばあちゃんが言う
「3日?」
僕は首を傾げる

おばあちゃんは答えなかった

次の日、目を覚ますと
おばあちゃんの姿はなく
からっぽの部屋だった


かすかに遠くのほうで
いやな匂いと
苦しみにもだえる声がした

そして何かが焼かれている匂いも。


僕はシロ。

おばあちゃんが言っていた3日がたちました
僕は扉の前に居た。
嫌な匂いがひどく臭う。

扉が開いた。

中に入ると
鍵が閉められた。

どこかに連れ出してくれるのかな?
たくさんたくさん
寂しいの我慢したから
ご褒美もらえるのかな?

お父さんとお母さんが
むかえにきてくれるのかな?






僕はシロ。



部屋の中に
変な匂いのする空気が
勢い良く穴からでてくる

いやだ
いやだ
苦しいよ
めまいがする

お願いだから
僕、いい子にするから

お父さん
お母さん

僕息が出来ないよ


あまりの苦しさに
僕は暴れた
泣き叫んだ

暴れたせいで
頭を打った
真っ赤な血が流れ出る

痛いよ苦しいよ
助けて

最後の力をふりしぼって
僕は吠えた。




でも扉が開かない
嫌な空気が止まらない





目の前が真っ白になる
息が止まった。
もう二度と目は開かない。







僕はシロ。


体が白いからシロっていうんだって。