6年間のシンガポール生活を振り返ってみて、
本当に中身の濃い日々だったと思う。
シンガポール文化に慣れるまでの
努力と苦労は相当なものだった。
私はシンガポール人に間違えられてばかりで、
いつも中国語で話しかけられていた。
日本人のお客様にまで
「え?日本人?」と驚かれてばかり。
日本で友達が入院して
お見舞いに行った時、
ちょうど主治医の医師がいらして
「こんにちは」と
挨拶しただけなのに
次の日、その医師が
「昨日の人はシンガポール人?」
と入院中の友達に聞いていたよう。
その位、当時の私はメイクも佇まいも
シンガポール人化していたようだ。
英語が話せるようになっても、
中国語で文句を言われるのはザラ。
マレー語や広東語のスラングも
自分が言われた事で覚えた。
ある時、タクシーに乗って行き先を告げたら、
運転手に
"can walk" 歩ける距離だ、と
嫌味を言われ、
それまでの我慢が爆発。
そんな嫌味を言われる事には
慣れていたはずなのに
溜まりに溜まったマグマが一気に溢れた。
私 「あなた今、歩けるっね言ったわよね?それはあまりに失礼よね。」
運転手 …(無視)
私 「謝れないなら、あなたの名前とタクシー番号を控えさせてもらう」
そうしたら、降車時にタクシー運転手が逆切れ。
"Get off now!" 早く降りろ!
シンガポールには慣れるまでも
慣れてからも、
日々のストレスはあった。
だからなのか、、
現地人化するのが手っ取り早かったのかもしれない。
フライト前後のタクシーストレスだけは勘弁、、、
そう思っていたら、
ある時乗車したタクシー運転手が、
「君のフライトの度に僕が定額で乗せてあげるよ」と
提案してくれた。
時間通りに指定場所に来てくれる、
横柄な態度もなく、
世間話までできて、
安心できた。
あの運転手さんには心から感謝している。
夫と知り合ってから駐在ワールドを知った。
駐在員は会社に守られていて
気持ち的に余裕があるように見えた。
何かあったら会社が面倒を見てくれる、
バックアップ体制が整っている。
日本人コミュニティの繋がりってこんななんだ。
ずっと日本語で話せるって、こんなに楽なんだ。
駐在員と現地で働く人の間に
違いがあるんだ、と
知ることができた。