結局、どうしていいか分からないまま数日を過ごし、6月22日(水)。
こむぎの食欲はありましたし、見た目には元気です。(でも今考えれば、寝ている時間が多かったのでしんどかったのでしょうね…ダメな飼い主だよほんともう(:_;))
【フードについて:吐き始めてから、カリカリは一切やめて、ウエットフードオンリーにしました。味に飽きるので2種類ほど混ぜて、さらに擂り粉木でペースト状にしています。先生に話したところこのやり方でOKが出たので、今もこの状況です。この時点ではスプーンでひと口ずつ上げてましたが、今現在は自分で食べられます。】
仕事に行くときは後ろ髪をひかれ、帰るときは定時と同時に即帰りました。
どうかどうか…
もしかしたら、どうしよう、…
そんなことを思っていました。
だけど、そんなわたしの不安を消すように、こむぎは「チャッチャッチャッ」と、ちょっと伸びかけの爪の音をたて、首輪の鈴の音、おかえりの「にゃ、にゃ」と短いお話しと共にいつも通り迎えてくれました。
元気だ…こむぎ、元気じゃん。
奇跡起きた?治ったんじゃない??
現実逃避以外のなにものでもありませんね(苦笑)
でもこのときは本当にそう思ってしまったのです。
でもそんなことを思っていた矢先、こむぎがまた吐いたのです。
6月17日に病院に行ってから、初めてのことでした。
その日の夜、ごはんを食べ、こむぎやもこ
とのんびりしていた時間帯。
こむぎが「なんかちょーだい」と鳴くので、仔猫用のちゅーる1本を食べさせました。間違いない食いつきに微笑ましく思った瞬間。
吐いた。食べたちゅーる1本分。(夜ごはんは吐いてなかった)
ぺたんと座り込み、細かく激しく上下するお腹。
息苦しいのです。
吐くのは人間だって体力を使います。大きい腫瘍を抱えて、たくさん空気を吸い込めない小さなこの子にはいかほどのダメージか…
「こむぎ、抗がん剤治療がんばってほしい。もっと一緒に居て欲しい。」
こむぎに懇願してしまいました。
名前を呼ばれて顔を上げ、わたしを見つめる瞳は力強く、ゆっくり立ち上がり向かった先はクローゼットの前。
クローゼットの中にはこむぎの大好きなおもちゃがたくさんあります。
遊んでほしいとき、こむぎはこうしてわたしたちを誘うのです。
病院に行って以来、先生に「遊びに乗らないようにしてください。今は疲れるだけですし、万が一悪化してしまうかもしれません。」と禁止され、誘われても知らんぷりしていたのです。
なんで遊んでくれないんだろうってきっと思っていたに違いありません。いつもは遊んでくれるのに、一緒に遊ぶのが大好きなのに。
遊んでくれるならいいよ、って言ってくれているような気がしました。
腫瘍が小さくなったら、少しは遊べるかもしれない。
「夫、抗がん剤治療やっていこう」
正直、わたしも夫も迷っていました。
抗がん剤治療をしても完治しない。貧血、下痢、嘔吐の副作用が出たら今以上に苦しむ結果になるんじゃないか。それならこのまま自然に任せた方がいいんじゃないか。
でもこのときこむぎに向かって出た言葉が本心だったんだと思いました。
1日でも長く一緒に居たい、楽しいこと嬉しいこと美味しいことを教えたい。成長を見たい。なにもしないでいることなんて出来るわけがない。こむぎの生きる力を信じたい。
わたしたちにとって大切な家族なのです。それだけなのです。
気持ちが決まれば行動は早かったです。と言うより、決めたなら早い方がいいと思ったのです。
6月25日(土)、第1回目の抗がん剤治療を開始しました。
くらいはなしばっかりでごめんね。こむぎのぴんくにくきゅーでもどうぞ♪