古ぼけた、大きなリュックサック
薄汚れたカーキ色は、兄のお下がりだ
こんなの、遠足に持ってくんだ
恥ずかしさこらえて、
小学校入学したばかりの頃の私です!
昭和も30年代半ばになると
赤い可愛いのを持ってる子は結構いたのに
………………………………
でも、翌朝起きてみると
あの、古びたリュックサックのポケットに
赤いチューリップのアップリケがあった

当時まだ、高校生だった姉が
私が寝てから、
夜、一生懸命につけてくれたんだ
ありがとー、お姉さん
ある日
学校に着いて、ランドセルをあけると
あれぇー
ランドセルの中に、缶切りが入ってた
父が使ってる仕事用の缶切りだ
誰が入れたんだ、こんなもの、兄ちゃんか
私の焦る気持ちは、恥ずかしさと重なって
ジィーッと周りを見ながら
急いで学校の中庭の砂利の中に捨てた
家に帰ると
父が夢中でその缶切りを探していた
私は何も言えず、ドキドキして震えていた。
「お前、何か知ってる?」と姉は聞いてくれた
私は一部始終話し、
取り返しのつかないことをしたと
ただ、泣きじゃくった


「一緒に捜しに行こう」と私の手をひいて、
学校まで行ってくれたのも姉だった
中庭の砂利の中から…………
缶切りは出てこなかった
そんな危ないものを校内に…………
今の時代では考えられないけれど
そのときは、先生が拾ったのだろうか……
学校では何事もなく終わった
でも、うちでは
捨てた缶切りで、仕事がはかどらない……
父の不機嫌とイライラで
大変な日々が数日続いた
そのときも、姉の優しさに救われた
あれから、かれこれ55~6年にもなる
いつしか姉は、背中が少し丸くなり
でも、それなりに幸せに暮らしている
生活環境の全てが
目まぐるしく動く、現代社会の中で

それでも
日々、一歩一歩ゆっくりと生きている
ドリンクバーも、パン食べ放題のランチも
「うん、お前と同じものでいいよ
」
と、あまり選ぶことにこだわらず
ただ、環境の中で素直に馴染もうとしている
姉さん、
ドリンクバーも、パン食べ放題も
私はいつでも、何でも取りに行くからね
姉さん、何でも言ってね(⌒‐⌒)
☆ 先日、白玉姫さんに作って頂いた詩から
遠い昔の、姉との思い出
一瞬、スゥーっと見えてきました
白玉姫さん、ありがとーございました。
(⌒‐⌒)(⌒‐⌒)



