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綿矢りさ。

中学の時に文藝春秋で読んだ、彼女の19歳の頃の芥川賞受賞作品「蹴りたい背中」が心に残り、大学生になってから「夢を与える」をハードカバーで購入。
84年生まれの作家さんで年が近いこともあり、一癖ある主人公のあるがままの思考回路にと共感することもあり、戦慄することもあり。

文庫の「勝手にふるえてろ」と「かわいそうだね?」もカバーがとても乙女心をくすぐるデザインで即買い。

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今回の「大地のゲーム」、最初学園闘争の話かと思って呼んでいたら震災の話でした。

2013年7月に出版されたこの著書は、大学生の震災後(ここでいう震災は3.11とは別のものを想定していると読みました)のコミュニティ形成に力を入れるリーダーを取り巻く人物達と、儚げな美少女マリに関する事件を中心に動いていきます。

主人公が、「私の男」がいながらもリーダーに対する特別な感情を持っていたり、リーダーのお気に入りだけが入れる特別室に自分が呼ばれない自分に苛立ちと諦めの感情が渦巻いているところなどは、女子によくある架空の片思いであり、後者の感情は特別にもてる女の子にはわからない気持ちなのではないかと思います。

「私の男」と「かわいそうだね?」に出てくる隆大は何故か似た香りを感じました。

綿矢さんの作品はサスペンスのようなスリルこそないですが、ややぬるい湯の中をひらりひらりとかき混ぜられながら感情があっちへ行ったりこっちへ行ったり、するのが好きです。

まだ読んでない作品もぜひ読みたいです。