私には2歳違いの弟がいる
弟は小さい頃、色白で目がクリンとしててとても顔が可愛かった
母親は目に見て解る勢いで弟を可愛がった
しかも、母親の一番望む『頭の良い子』だった
可愛い、勉強が出来る、母親に愛されている
羨ましかった
羨ましい自慢の弟だが、とても妬ましたかった
必死で母親の愛情を求める幼少の私は、羨ましいと妬みの天秤の計りの重さが、どんどん妬みの方に傾きまくっていった
なんでお前だけ。
むかつく。
弟のくせに。
死ね。
その想いは段々とエスカレートし、両親がいない場所で言葉に出始めた
引っ越して2人だけの時間が増えると弟の姿を見るたびに罵った
キモい
くさい
しね
あっちいけ
オエ
殴り合いもめちゃくちゃした
そしてそれは学年があがるに連れ激しくなっていった
私の左腕には鉛筆で刺された鉛筆の芯が残っている
両親は何も知らない
愛情不足なのは私だけじゃない
弟もまた、必死だったに違いない
だけど、当時、子どものあたしらに、必死で自分のことを考えてる私らに他人の気持ちなんて解るわけがない
一番最後にある記憶は私が小学校6年の時に家族でどこかに旅行に行ったこと
弟とは喧嘩しかしなかった
両親もきっと子どもらが大喜びするという妄想と現実が違いすぎて嫌気が差したのだろう
家族旅行の思いではこれが最初で最後であり、外食は高校を卒業するまでに一回しかない
非常に歪んでいたと思う
その歪みの姉弟喧嘩は中学校の時がピークだった
続く