初っ端からラグビーネタで恐縮ですが、、、

マオリオールブラックスに初勝利した余韻に浸りながら読み始めたんだけれど、次のジョージア戦には負けてしまったJAPANにテンションダウン チーン

 

最年少での文芸賞や芥川龍之介賞受賞と、ずっと気になっていたけれど、読んでみるのは初めて下差し

 

併録されている「いなか、の、すとーかー」が先なので読み出す。

陶芸家が自分の原点である"いなか"に戻り創作をしていくなかでメディアに取り上げられるようになる。

"いなか"には変わらない自然、家族、そして幼なじみがいる。

そんななか、都会で個展を開いていた時からのストーカーが、再度彼の前に出現することになり、生活、精神へと乱れが生じはじめる。

"変わらないはずのもの"が、自分を支配しようとする怖さ。

切り込み方に凄みを感じ、見事な展開にもなり、ゾクリとするようなホラー感がある。

 

またタイトルの「ウォーク・イン・クローゼット」でも随所にブラックな抉り方が感じられ、底知れぬ才能なのか、とにかく見た目とはかけ離れた感のある筆者の"人間の底深さ"のようなものを感じる。

"服" に執着する主人公が、自分探しをしながら着地点は何処になるのか〜

一冊だけでは済まないだろう迫力がある。

 

 

 

そして趣変わって下差し

山岳アクションものですウインク

何せ、舞台は穂高連峰なんだなぁ。生唾モンです。

、、、って、嘗て奥穂高を目指したのに前穂高岳でフェイドアウトしてしまった "へたれ山岳隊" のmoclが言うのはおこがましすぎますが汗汗

ほら上差しこんな地図まで載ってるんだから、ワクワクそわそわするというもんです。

 

山を知り尽くした自衛隊特殊部隊だった男と百戦錬磨の猟師の、冬の穂高での闘いであり、背景にはきな臭い国家としての内部事情がある。

 "自然を味方につける" や "気配を消す" や "有効な行動食" などなど、実にオモシロいアップ

、、、と、一気に読んでしまったんですわーー

たまに、こう云ったハードボイルド系っていうかアクションものもイイわねぇ拍手

 

 

 

 

なんだかタイトルに惹きつけられて下差し

プロローグからの本編は些か唐突で、しょうじきなところ、今回のチョイスは違ったかなぁ〜と厚みのある本自体に少し腰が引けていたのだ真顔

 

アパレルに勤める洋服好きな主人公の都。

しぶとい更年期障害に苦しむ母のために都心での仕事を辞め、郷里のアウトレットモールのアパレルに契約社員として勤めているのだが、正社員でしかも店長であった職を辞したのは部下やバイトの子たちから総スカンを食ったことが原因であったことが、後々明らかになる、、、とまぁ、ちょっと"どんより展開"なのである。

両親の結婚観、適齢期と言われるうちに結婚し子どもを産んで夫の稼ぎで幸せに暮らす、と云う、まさに昭和までの価値観である。

そんな32歳の都の前に、中卒で寿司職人の貫一が現れる。

都の友人の絵里とそよかの、正反対の考え方、生き方は、リアル現代なのだなぁ。

しかし、都の母がそれまでの価値観から這い出して自立しようとし、都のなかにも自分の甘さを、そして貫一の甘えも突き破ろうとするくだりは見事である。

一緒に生きることは"連帯"なんだと二人が気づくあたりが素晴らしい。

そして、エピローグにまた "えぇーっ?" となり、プロローグに落ち着くのだ。

後半おもしろすぎて、とてもじゃないけど翌日にとっておけなくなり、おかげで寝不足ウインク