タイトルを見て「たしかに言えてるかも。。」と手にとった一冊
やりきれない気分のままに読み進め、だからと言って止められない、そんな一冊だった。
おそらく突いてくるんだよなぁ〜 ダークな部分を。。
短編集なんだけど、それぞれ最終に救いがあるわけではない
そして、タイトルからしてミステリーものです
"不可能アイランドの殺人" と "インペリアルと象" の二つの短編なのだが、最終で繋がっていることが分かるんだなぁ。
それにしても、ミステリーものには賢い人が登場するよなぁ
"不可能アイランドの殺人" のモモちゃん、そして "インペリアルと象"の瞬一郎。
スマトラ沖地震で津波を察知して人間を救った象。
この象の鋭敏な感覚が、地震波や人間には聴こえない低周波音を察知することが、防災に使えないものだろうかと思う
そして、タイトルから想像できるように
重たい内容にも関わらず一気に読ませてくれるのは、進め方が上手いんだなぁ。
14歳で殺人を犯してしまった少年の家庭環境が詳らかに描かれる。
歪な記憶力、素直なこころ、嘗ての無邪気な友との戯れも、"罪を償う今" と並行して描かれる。
辛い経験に苦しむ級友だった少女との出会い。
人間の脳は15〜20年で完成すると聞いたことがあるが、"少年犯罪" の重大さとその後の難しさを感じる。