タイトルに惹かれて下差し

ケータリングを仕事にする水島健一、もともと料理は好きで子どもの時から作っており、流れるように時間は経過し、ケータリング業に至っている。

まぁ全てにおいて肩の力が抜けている、っていうか抜けすぎ感もあり。。

ケータリングでも、できるだけ簡単に見栄え良く作ることに重きを置いていたりするのだウインク

真逆の性格(あるあるニヤニヤ)の妻には離縁されており、父似の息子は本人の意思とは無関係に母と一緒に住んでいる。

腰痛持ちな健一が通っている病院のリハビリ施設で、生まれてからずっと闘病中の生意気な12歳の英樹と出会う。

健一の料理を食べ忌憚のない意見を言ってくれ、アドバイスまでしてくれる英樹、彼にとってはこれまで出会ったことのないオトナである健一、と二人の関係が深まる。

尊厳死を望む英樹のリクエスト料理を作る健一。

そして、性格だけではなく料理好きなところも父に似た息子。

タイトルからのチョイスに満足なmoclでした。

 

 

 

続けて、当然ながら初めての作家さん下差し

成績優秀な中学生がひったくりの常習者だったり、

けっして非行少年などではないものの、"正義のため"と嘯きながら仲間と自転車泥棒を襲撃する中学生。

たまたま夜道を歩いていて前を行く女性に気を遣ったばかりに車に撥ねられ怪我をして、濡れ衣を着せられた恰好になり、就活ができずフリーターの道を歩くことになった男。

自転車泥棒襲撃の中学生の異母兄になる大学生。

そして、彼らに絡みだす人間たちも同じレジデンスやすぐ近くに住んでいる。

衝動と欲望とが、まるでパズルのように入り組む。

 

読後に知ることになるのだが、この作家さんにしては驚く内容なのだそうで。。

そうなると、他の作品も〜と思ってしまう。

 

 

 

「赤い靴」かぁ〜下差しと思い借りたけれど、、、

なかなか凄まじい内容なのである。

7歳の誕生日に母と管理人とで別荘にいた主人公の葵。

父から届けられた "赤い靴" を履いていたその時に、母と管理人が斧で斬殺される。

独り山に逃げたところを、政治とカネとの軋轢から葬られ、山に籠って尚も研究を続けている研究者の男にたすけられる。

少女には、斬殺された母と管理人を殺したのは "黒鬼" だと云う強烈な記憶だけが残る。

天才肌で風変わりでもある男は、その少女を山の中で教育していく。

自然のなかで本来持っている動物としてのチカラと、教養とを。

年老いた男は死に、17歳になった少女は山を降りる。

 

そこからの展開は、夥しいほどに絡まり合っているのだ。

もう息つく暇もないほどで、こういう筋書きで進められていたのかと驚くしかない。。

スゴい作家さんだなぁ〜