前回に紹介したように下差し

小池真理子氏の世界、素晴らしかったなぁ。

一人一人が丁寧に描かれる短編が、積み上げられ、作品として深められていく。

短編たちは2009年から発表され、最後の「ウィーン残照」が2010年の発表。

作者は1952年生まれなので、50代後半の作品になるのだが、瑞々しい感性が伝わってくる。

 

また、前の記事にも書いたようにYUMING TRIBUTE STRIESの「あの日にかえりたい」の70年代初頭の時代感覚。

1950年生まれのmoclとしては痛いほどに滲み入るんだなぁ。

リピートしたいと切望しました。。

 

 

 

そして、平野啓一郎氏下差し

離婚し出ていった奔放な母が残したもの、残された息子が辿る道。

美し過ぎるが故に辿る道、そして華やかな外見にかくれた内面。

さすが平野氏である。

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」などの諸作品を私自身は読んではいないが、その辺をうまく取り入れていると思われる。

最終、展開が読めないゆえに一気に〜と焦ったのだが、これも作者のチカラなんだろう。

 

 

 

そして、図書館で出会った下差し

まさにユーミン誕生までのルポとも云えそうな軌跡である。

恵まれた環境に育ち、ゆたかな才能と溢れるばかりの好奇心、また想像を超えたパワーも併せ持つ由実。

音が色に表される〜という彼女の感性。

楽しみながらも決して努力を惜しまない姿は、やはりなぁ〜と尊敬するのみである。

「飛行機雲」は亡き級友へのメッセージでもあったのだと知ると、また感慨深いものがあるなぁ。

いつ聴いても色褪せることなく、こころに沁みる名曲をありがとう。。