暖冬だったはずのこの冬は、地震から始まったから〜と云うことでもないのだろうが、なんんだか読めない空模様が多かったなぁ。
”寒の戻り” と云うよりは気温のアップダウンが大きくて、しょうじき堪えたわー
花粉症のせいにしていると、そうじゃないこともあったりするんだわねぇー
そんななかで読んだ
中学の若い教師が主人公。
暴力沙汰で刑に服していた父親が残した遺言書が突然出てくる。
主人公の、不登校の生徒に寄り添う姿勢や、子どもに自分の価値観を押し付けようとする親と向き合う姿勢、若さゆえの逡巡なども語られるのだが、何せ語り口が飄々としていて引き込まれる
司法書士の江尻さんが圧倒的にオモシロかったんだけど、作者も司法書士さんらしい。
最後にどんでん返しがあって、これがなかなかにイイ
次に手にとったのが
与那国島に "呼ばれた" と言われた男が主人公。
南の島って云うと、屋久島へ行った時に感じたように霊的なもの、ってあるんだろうなぁ。
この世とあの世の境があり、「島を巡る時は境を越えないように。」とも言われる。
埋葬して7年後に墓から取り出し、六十度のアルコール花酒で洗骨をし、最後に花酒を遺骨にかけて火をつけ遺灰を壺に入れて墓の中に再び納める、という島の墓についても語られる。
たしかに沖縄でも、あの広大な墓の前でそんなことを聞いた気なぁ。
生きるなかでの出会いも、すべて流れなのだろうか〜
登場する人の懐の広さ、捨てずに持ち続ける心の傷、生き直す勇気、、、ふんわりと心に残ります
作者は内科医であるらしい
どうも、「祈りのカルテ」シリーズになっているようだ。
循環器内科医、諏訪野良太の研修医時代の体験を綴っている。
救急外来での先輩医師に言われる台詞
「君はかなり人当たりが良くて、患者さんから話を聞き出すのは得意だけど、相手から悪意とか敵意をぶつけられると萎縮しちゃうでしょ。」
そして言われる、「医者である限り、強い敵意を向けられることはある。誰かに怒りをぶつけないと理不尽な現実に自分を保てない患者は少なくない。だから敵意を受け流すトレーニングも必要。心のガードを上げて相手が疲れるのを待つ。怒りを発散した後、患者は本音をこぼしはじめるから、しっかり聞いたらいい。」
最後まで、感動がいっぱい詰まった一冊だった。
シリーズとして、先に出た方を読もう
何で知っているのか、聞いた名前の作家さん
なんとも形容しづらい、不思議で引き込まれる世界です。
作者は滋賀出身。
moclは大阪に住むこと50年近くになっても、関西の言葉の違いがハッキリとは分からない。
この本を読むと滋賀のことばは、京都出身の友人のことばと活字で表した感じでは似ていると思う。
また、作者特有の表現が出てくる。
例えば、主人公の父の逆鱗に触れるところを、"割れる"とする。
"怒る" のではなく、"壊れる" に近いとも思える "割れる"に。。
昭和のTV番組もでてきて、「トムとジェリー」ではmocl もだんぜんトム派だわーと懐かしくなった