本当のトマトの味ってどんなんだ? | 自然派で行こう♪

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自然な農法での安全な米・野菜作りをしています。
釣りと料理と自家製素材を使った味噌作りもしています。

私はトマトが大好きで、畑には毎年30~50本のトマトを植えている。

基本的に自家用トマト。30本植えていてもそのままかじったり、裂果したものはトマジューにしたりで、ほぼ一人で消費出来る。

さて、トマトには桃太郎なる甘い(作り方に依る)品種が出回っているけれど、正直99%がまずいと思う。;;
大手スーパーなんかでは、「こだわりトマト」なるブランドをつくって生産者の顔写真まで入れて、トレーサビリティーを前面に打ち出し、安心安全しかも旨い!と、いうふれこみだ・・・・・が、
ほとんどまずい!味が薄い!甘くも酸っぱくもない。
なぜ?
ハウス栽培で潅水量を調節していれば美味しくなるんじゃないの?
なんてつい思ってしまう。
遊びでトマト作っている自分には解らない何かがあるのだろうと思うけど・・・。


私がトマト作りにはまった切っ掛けは、かの有名なグルメ漫画の「美味しんぼ」。

入院中の陶芸家の唐山陶人に山岡史郎があるトマトを持参したのだが、
山岡史郎のトマトに唐山は「おぉ!うまい!これぞ懐かしい昔のトマトじゃ!」と大感動。
その後、そのトマトの産地へ唐山と山岡たちが出向いて、そのトマトの美味しさの秘密を知るのだ。

そのトマトの栽培方法とは永田農法(別名:スパルタ農法・ルーツ農法・緑健農法)と呼ばれる栽培方法である。
トマトに限らず、いろんな野菜に応用され、その野菜(植物)の原産地の環境に出来るだけ近づけて栽培すると言うのである。
雨が少なく荒れ地のようなアンデスの気候風土に近づけるとトマトの甘味が増して美味しくなるというのだ。
そこんところがルーツ農法とも言われる所以である。

私もそんなトマトを作りたくなって、色々書物を読みあさり、DVDを見ては研究した。
まず、雨よけハウスを用い、
畑の酸度を調整し、畑には元肥をいれす、畑がからからに乾いて、トマトがしおれかけた時に
液体肥料を約一週間に1回やるだけで、甘いトマトが出来ると言うのだ。

で、作ってみた。細い茎、少ない葉、露地で、慣行栽培したトマトよりも小さな実。
「ええ感じちゃうん♪」^^

そして初の収穫♪ パクッ。

・・・
が~ん!;;

何がダメだったのか・・・。味が薄い。(普通のトマトと変わらん)
品種のせいなのかな?

それから品種についても考えてみた。

思い起こせば、昔のトマトはどれも青臭くて甘いトマトなんて無かった。

先述の唐山陶人が「昔のトマトの味じゃ!」と言う漫画の設定はおそらく作者の思いつきに違いない。
私も40数年トマトを食べてきたが、トマトの味の大変革は私が中学生のころだった。
母親が買って来た妙に尻が尖った「ファースト」というトマトだった。
今まで、トマトとは青臭くトマトのガクに近い部分が青くて形もずんぐりした物が多く、味も酸っぱくて青臭みのある味だった。
そのファーストトマトはそれもでのトマトの味とはまったく違うフルーティーな物で、めちゃくちゃ甘いとは感じないけど、
美味しかった。以来、当時の我が家の定番トマトとなったのだが、十年も経たずに近所のスーパーから姿を消した。

そのトマトは確かに美味しかった。
それは、消費者からみれば最高の品種だった。
しかし、生産者にしてみれば、厄介な代物だったのだ。

問題はその尖った形状だったのだ。出荷しづらかったに違いない。

そこで、ファーストトマトの後に出て来たのが桃太郎シリーズだ。
この桃太郎と言う品種は形状がかなり均等。大きさは栽培方法により大小さまざまだが、
出荷しやすいのだ。

さらに、皮が硬くて完熟出荷しても店頭での保存性に優れる。

こう書くと桃太郎が生産者本意の美味しくないトマトかと思われるかもしれないが、そうではない。
栽培方法により、とんでもなく甘くなる。

一口に桃太郎と言っても毎年の様に桃太郎シリーズに新品種が追加され、
いまや20種類近くにもなっているのだ。

栽培方法や耐病性はたまた栽培の季節により色々な桃太郎があるのだが、
いちばん甘くて美味しいと評判なのは

◆桃太郎ファイト♪
私はこれを今年メインに作っています。
甘くて美味しいトマト出来るといいなー♪


自然派で行こう♪-ポンデローザ収穫前

アップそれに、コレ♪日本にいちばん最初に食用として輸入された昔ながらのトマト
◆ポンデローザ♪
果実の形はいびつでデタラメだけど、これは本当に懐かしい味でお気に入り♪
そのままくっても良いけど、ウスターソースをかけてご飯のおかずにしていた子供の頃を思い出して、
やってみたり・・・。^^

それと、近所のスーパーで買ってとんでもなく美味しかったトマトの種をとって育苗したトマト。
品種は解らないけど、おそらく桃太郎シリーズの中の1品種だと思う。
自分はそれを
◆イナミのトマト♪
といっている。w
イナミとは和歌山の地名である。そこでこのトマトは作られたのだ。しかしそううまく行かないのが世の中だ。
トマトに限らず一代交配品種はF1品種とよばれ、その種をまいても、親と同じにはならない事が多い。
でも、そんな事は気にしない。そのトマトのとんでもない美味しさのDNAは受け継がれているに違いない!

と、ワクワクした気持ちで日々の成長を見守っています。

こうかくと、甘いトマトが最高のトマトのように思われるかもしれないが、
甘いトマトが決して最高に美味しいトマトとは思わない。
もちろん甘味と酸味のとれたトマトは美味しいと思うのだが、
昔ながらの青臭いトマトの味も捨てがたい。

しかし、やはり甘いトマトに心を惹かれる。

それは何故か?そんなトマトはスーパーではなかなかお目にかかれないほど珍しいからだ。

私の尊敬する。故・井原 豊さんもこう言っている。

「桃太郎は甘くてけっこうだが、年寄りから言わせればそれはトマトの味じゃない!青臭いトマトが本当の昔のトマトの味なのだ。糖度は低くても何とも言えない雅味がある。」と・・・。

その通り!と私も思う。

トコトン甘いトマトで仰天するもよし、青臭いトマトをくって懐かしく感じるもよし。
ただ許せないのが、味の薄いトマト。これはまずい。正直こんなのに1個100円も出したかと思うと悲しくなる。

どちらにしても7月の収穫時期に夢を馳せる。トマト作りは今が最高に楽しいときです。