86 | ことばでネジを巻き上げる

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よそよそしい顔をして枝をはる木々の森のなかで、わたしもやっぱりよそよそしい顔をして立ち尽くしている。
迷い込んだ旅人には気づかないフリで、そしていつかその中を自分も彷徨う。

他人が嫌いなわけじゃない。
自分が好きじゃないから凍えた眼しか持てない。