窓の向こうの

手が届きそうで届かない景色を


見えそうで見えない
あの懐かしいビルの向こうを

ずっと見ていた

手を伸ばしても
どうしようもない
ただ眺めては憂うだけだった
前いた場所にはどうやったって戻れない
それを痛感していた

戻りたくて戻ってきたのに

本当は
逃げ出してきたというのに

自分だけの負い目

それ以上
さらに
どう変化させていいのかわからなかった

あのとき