〈あらすじ〉
転校先の学校に馴染むのを拒む美貴、子どもっぽいのがコンプレックスの桃、親友の姉に恋をする満、悩める人気者の雅人、孤独な優等生の清野、姉御肌で給食が大好きな梢。
6人の中学生たちの揺れる心が、給食をきっかけに変わっていく。
やさしく胸に響くアンサンブルストーリー。
(出版社サイトより転載)
〈感想〉
「給食」がテーマの青春連作短編集。全編ほんわかいい話で、安心して読むことができた。子どもにも安心しておすすめできる、まさに学校向けの本。
皆いい子すぎて現実味が…でも、こういう子たちやクラスが日本のどこかにあるといいな。
七夕ゼリー
私立の給食って、レストランのシェフが作ってるの!?まず冒頭からカルチャーショック…そりゃ、公立の学校の給食なんて舌に合わないよね。私は美味しく食べてたけど泣
突然変わった納得できない環境への苛立ちを新しい友達たちにぶつけてしまう不器用さ。
その苛立ちや悲しさを飯島たちが自分たちができる方法で慰め仲直りしようとする。微笑ましい。
いい友達ができてよかったね、美貴。皆の思いが詰まったスペシャル七夕ゼリー、美味しかっただろうなぁ。
マーボー豆腐
本の趣味は、年齢が上がったからといって変える必要はない。って司書講習の時の先生が言っていたなぁ。
どっちも好き!甘口も辛口も美味しく食べられたほうが、人生は豊かになるような気がする。
黒糖パン
自分の読書の幅を広げてくれた、ちょっと年上の憧れのお姉さん。
その人が学校生活に悩み不登校になってしまう。どうにかして励ませないかと考えたのが、給食ででる黒糖パン。淡い恋が眩しい一編でした。
ABCスープ
お調子者でも悩みがある。中学になると、色んな小学校から生徒が集まるから今までよりも世界が広がる。自分よりもできるヤツ、すごいヤツを知ってヤサぐれ気味だったけど、いい先生に出会ってもう一度頑張ってみようとする足立が素敵でした。
「Change」がABCスープの中で揃うなんて、まさにミラクル!
ミルメーク
人に求めるだけではなくて、自分から相手に気持ちを伝える大切さ。少しの勇気で友達のことが理解できたり、自分のことを知ってもらえる。
それをしれたことで、清野は成長できたんだと思う。
百人一首、自分は全然覚えなかったな。
卒業メニュー
「転校してもずっと友達」って難しい。でも、この子たちなら本当にできる気がする。
続編もあるので、そちらも追々読んでみます。