《あらすじ》
東京から片田舎に転校してきた転校生・海野藻屑。かつての人気歌手・海野雅愛を父に持つ美少女。自分を人魚だと言う彼女は、主人公・山田なぎさにたわいもない嘘(砂糖菓子の弾丸)を吐きながら付きまとう。

ミネラルウォーターをいつも飲み、自分の事を「ボク」と呼ぶ、かなり変わっている海野藻屑は誰にも言えない「ある秘密」を抱えていたーーー

《感想》
薄くてすぐ読み終わってしまう分量なのに、ずーんと重い内容の本でした。ただ、重い話のはずなのに、後味は何故か悪くない不思議な作品。

大人に近づいているけれど、大人ではない。思春期の自由になりきれない歯痒い感じが読んでいてひしひしと伝わってきました。

痛々しい結末に至る真相が気になって、一気に読んでしまいました。

元々はライトノベルだったとか。海野藻屑の設定などは確かにそれっぽいです。

今度は同著者『赤朽葉家の伝説』を読みたいです。