夜の仕事を始めたあたりには、夫婦関係は前よりもかなり良くなっていた。
というか、よく話をするようになっていた。
旦那は転職で悩んでいて、それは家族間で大きなことなのでよく話し合っていた。

私が夜の仕事をする前にも、やっぱり旦那の承諾なしではできないから相談していた。
仕事を始めてからも、前回書いたように向いてなかったので(笑)色々悩み、相談していた。

夫婦の会話のほとんどは、仕事についてだった。
以前に比べればものすごい会話をしているし、距離は近くなっていることを感じた。

けれど、なにかよく分からないけど、今一歩、何かの壁があるようにも感じていた。。。




夜の仕事を始めて2ヶ月くらいしたころ。
夜中の1時くらいにお店を閉めてから、ママとスタッフ数人で話してたら
話題はママの壮絶な人生の話になった。

ほんの数年前、ママが好きになった人がガンになり、その人を看取る覚悟をして、ガンと分かりながらも結婚したと。
その人が亡くなってから、やはり立ち直れないくらい落ち込んで痩せこけるほど。
それでもお店を回して。。。でも、やっぱり思い出して、苦しくて。。。

という、言葉が出ないくらいの人生経験。
しんみりと話し込んでいたら急に、
お店に電話がかかってきてみんな驚く。

ママは「こんな時間(夜中3時)だからイタズラでは?」と無視してたら、
そのうち電話は切れた。

電話を機に、もうこんな時間だね、とみんな解散することになった。

で、私も車に乗り込んで何気なくスマホを見たら、旦那からの着信が3回くらいあった!
確かに話し込んでるとき、(ちょっと帰るの遅くなるから連絡したほうがいいかな?)と頭によぎってはいた。

それまでは、2時までには家に帰っていたので今回は、大幅に遅くなってる。
慌ててメールで『すぐ帰る』と伝えて車を走らせた。

さすがに怒ったりしてるだろうか。。。と思いながら家についたら、起きてた旦那はホッとしたような顔をしていた。

ママと深い話になって、しばらく話し込んでしまったと伝えたら、
「それなら良かった。酔った客もいるだろうし、もしかして何かあったら?と気になって。。。店に電話をしても誰も出ないから」
と。

あの電話はこの人やったんかー!


「電話に出ないから迎えに行こうと思ってた」と、パジャマから着替えてたらしい!

その旦那の言葉に、
あ、この人は本当に私のことを心配してくれてたんだ。。。
と、衝撃を受けた。

私は『まぁいいか。。多分寝てるだろうから』って旦那に遅くなることを連絡しないでいた。

なんか。。。ごめん。。。

と深く、反省した。
もしかしたら、自分が思っている以上にこの人は
私のことを、考えてくれてるのでは、

と、何年かぶりに夫婦間の愛情について、考えた。


つづく。