「子」というのは、コやあるいはネと読みますが、十二支のネズミ年を表す字にも使われています。十二支が何となく伝統があるものなので、ここに本来の意味があるのかと思いがちですが、実際にはねずみ年を表す文字として使うようになったのは随分後の事のようです。それでは何から出来たのかというと、これは王侯貴族の男子、つまり王子の事を指しているのです。古代中国の文字では、上に丸を書いてそこから下にカーブを描きながら一本の線が引かれており、その曲がった方と逆側の手を挙げてもう一方は下げているような「子」が見られます。

 

 

 

子某や某子という使い方をしていた

 

 

「子」が高貴な身分の王子を表す文字として出来たという話はしましたが、その使い方は子某という付け方をしました。例えば子鄭という名前の人は鄭という場所を領地にしていた王子という意味でした。これがやや時代が下ると名乗りにも一般的に用いるようになりました。例えば孔子の門人である仲由のあざなは子路といいます。話が前後しましたが、高貴な人を表す文字という事から孔子や老子、孫子といった大学者の人たちの尊称にも用いられました。またより直接的な形では貴族のランクのひとつである子爵もありますね。