今回通読したのは下記。
減価償却に関する当面の監査上の取扱い(監査・保証実務委員会実務指針第81号)
┗公認会計士協会
┗2012年
2007年度、2011年度に税制の大改正があったとのことで、それに対応して会計基準も更新されている。
2007年度の主な変更点…償却可能限度額及び残存価額が廃止された(備忘価額1円まで償却することになった)
2011年度の主な変更点…定率法の償却が、250%定率法から200%定率法に変更された
雑感
下記に重要と思われるポイントを列挙してみたが、この基準は厳密には公認会計士協会が公表した「監査・保証実務委員会実務指針」であるが(つまり監査目線の実務指針であるが)、財務諸表作成側の企業にとっても、とても有用な基準であった。しかもその割には短時間で通読可能だった。
【ポイント】
法人税法に規定する普通償却限度額を正規の減価償却として処理する場合、企業の状況に照らし、耐用年数又は残存価額に不合理と認められる事情のない限り、当面、監査上妥当なものとして取り扱うことができる(24項)。
…つまり企業は会計上、税法に従った減価償却により計上することが容認されている。
会計上、税法に従った減価償却により計上することが容認されている理由
…本来であれば、税法による減価償却ではなく、各企業が資産ごとに経済的使用可能予測期間を見積もって自主的に決定すべきである(13項)としているが、現在の実務において多くの企業が法人税法の規定に従っているのが現状であることを考慮し、法人税法に従った減価償却が容認されている。
減価償却にとって重要な計算要素…①取得原価、②耐用年数、③残存価額
耐用年数は、資産の単なる物理的使用可能期間ではなく、経済的使用可能予測期間に見合ったものでなければならない(12項)
減価償却方法の変更は、会計方針に該当する。しかしその変更については「会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合」として取扱い、遡及適用は行わない。
耐用年数(又は残存価額)の変更は、「会計上の見積りの変更」、若しくは「誤謬の訂正」のいずれかに該当する。
会計方針の変更に該当し、それが法令等の改正に伴う変更ではない場合、正当な理由(変更の適時性など)を注記することが必要。
それではまた