ストキャスティクスは難しくない!基本の見方と活用法をわかりやすく解説

 
ストキャスティクスとは、買われ過ぎ・売られ過ぎを判断するためのオシレーター系のテクニカル指標です。
主にレンジ相場で役立つもので、投資手法でいえば逆張りに向いています。

1950年代に米国のジョージ・レインさんという人が開発したもので、RSIと似ていますが、全く別物なのでご注意ください。

名前もストキャスティクスと格好良いうえに言いにくいので、難しい指標と思われそうですが、原理を理解してしまうと何も難しくはありません。

ここでは分かりやすくストキャスティクスについて解説してみます。どうぞ肩の力を抜いて、覚えていってください。

ちなみに、ストキャスティクスと言ったりストキャスティックスと言ったりするようですが、おそらく【シャケ】と【サケ】くらいの差だと思うので、細かいことは気にせずに。
 

ストキャスティクスの基本

ストキャスティクスはオシレーター系と呼ばれるテクニカル指標の1つで、%K、%D、%SDという3つの線で表されています。

この線が何を表しているのかというと、ある期間中の高値と安値の間の中で、現在値がどの辺にいるのかということを教えてくれています。


例えば、10日間という期間の中での最高値が1000円・最安値が800円に対して、現在値が980円だったら、10日間の推移の中では高めの位置にいるのかな、と思いませんか?
少し高めということは「そろそろ高値圏だから売りが強くなるかも」と判断できますよね。簡単にいうと、そんな指標です。

じゃあ、なんでその線が3本も必要になるの? と思いますよね。
これには深い理由があるのです。
 

ストキャスティクスの各線の役割

では、ストキャスティクスを構成する3本の線をそれぞれ解説してみますよ。
 
  • %K
    ストキャスティクスの基準となる線です。読み方はパーセントKエージェントKみたいですね。(【MIB】というのもテクニカル指標でありそう)
    特定の期間の最高値と最安値の間で、現在値が何%なのかを知るためのもので、3本の線の中で直近の推移を1番素早く反映します。

    と言っても分かりづらいと思うので、ここは計算式を見てみましょう。

    %K=(今日の終値-過去n日間の最安値)/(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)×100

    難しく見えますが、言っている内容は非常に簡単なので、分解してみますよ。

    例えば、こんな条件で算出するとします。
    過去30日間の%Kを知りたいとして、今日の終値が200円。過去30日間の最安値は100円。過去30日間の最高値は300円だとします。
    これを計算式にあてはめると(200-100)/(300-100)×100ということになります。この答えは50ですよね。

    見た目で分かったかもしれませんが、これは何を計算しているのかというと、過去30日間の最安値は100円、最高値は300円という値幅の中で、現在値の200円は下から数えて何パーセントなの? ということを求めているわけですよ。

    ストキャスティクス解説

    計算式で見るとやや複雑に見えてしまうかもしれませんが、何も複雑なことはしていません。
     
  • %D
    中期オシレーターとなる線で、%Kの3日平均を算出したものです。
    %Kの3日平均なので、%Kに比べると現在の推移を反映するのに少し時間がかかります。
     
  • %SD
    長期オシレーターとなる線で、%Dの3日平均を算出したものです。
    現在値に対する反応は%Dよりさらに時間がかかるため、現在の推移を反映するのは1番遅くなります。
 

基本的にストキャスティクスは2本線を使うことが多いですが、
%Kと%Dを使う場合はファストストキャスティクス、
%Dと%SDを使う場合はスローストキャスティクスといいます。
現在は%Dと%SDを使う、スローストキャスティクスが多いようです。
※人によっては%Kと%SDを使う場合もあります。

 
 

ストキャスティクスはレンジ相場で役立つ

ストキャスティクスには少しだけ癖があります。
レンジ相場では非常に活躍してくれますが、トレンド発生中には、ほとんど役に立たないのです。

これを理解するために、先ほどの%Kの仕組みを思い出してみましょう。
%Kは特定の期間中の最安値・最高値に対して、現在値がどのあたりにあるのかを教えてくれますよね。

これを踏まえて考えてみると、もし上昇トレンドが発生中で、終値が連日前日比を上回っているとしたら、ストキャスティクスで見ると毎日100%になってしまうわけですよ。

100%ということは売りサインか? というと、それは完全に間違いですよね。単純に上昇トレンドの真っ最中なだけです。


逆に下降トレンドの場合もそうです。
毎日前日比を下回っていると、ストキャスティクスで見ると0%の日が続くわけですが、それは買いサインではありません。ただ下降トレンドの真っ最中なだけです。

だからこそ、ストキャスティクスはトレンド発生中にはほぼ役に立たない指標と言われるわけです。
 

ストキャスティクスの基本的な見方

さて、ストキャスティクスがどんなものか理解したうえで、ストキャスティクスの活用法を見てみましょう。
 
  1. %Kが70~80%以上で買われ過ぎ、%Kが20~30%以下で売られ過ぎと判断する。

    ストキャスティクスでは、
    %Kが70~80%の位置にある時に買われ過ぎ、
    %Kが20~30%の位置にある時に売られ過ぎ

    と判断することが多いです。

    ただ、先ほどの項目でも少し解説しましたが、あくまでこの指標はレンジ相場で役立つものです。
    %Kがずっと80%以上の水準にあるということは、単純な上昇トレンドの最中であるということであり、逆に30%を下回る水準にあるということは、単純な下降トレンドの最中ということでもあるのです。

     
  2. 二つの線の交わりでゴールデンクロスやデッドクロスのように売買のサインとして見る。
    %Kと%D、あるいは%SDの2本線が交わるときに、ゴールデンクロスやデッドクロスのような売買サインと判断されることがあります。
    基本的には下記の通りです。

    ・70~80%の水準でKが%D(あるいは%SD)を下抜くと売りサイン。
    ・20~30%の水準で%Kが%D(あるいは%SD)を上抜けると買いサイン。

    %Kは現在値に対して一番素早く反応します。イメージでいうと5日移動平均線のように。
    つまり、中期的な平均である%Dよりも%Kが上に抜けると、中期的な流れよりも上に行く可能性が高まったことを示し、%Dよりも%Kが下に抜けると、中期的な流れよりも下に行く可能性が高まったことを示すわけです。

     
  3. スパイク・トップ(スパイク・ボトム)
    売りサインが出ている水準で、%Kが先に天井をつけて下落に変わり、%Kの描く山の内側で%Dが鋭いスパイクのように天井をつけて下落となり、%Kが%Dを下抜けることをスパイク・トップといって、非常に強い売りシグナルとなります。

    スパイクトップ

    注意したいのが、%Kが天井をつけて下落になった、その山の内側に入る形で、%Dが天井をつけている点です。
    %Kが天井をつけて下落に変わり、一旦%Dが%Kを上抜いてから下落となった場合はスパイク・トップとはなりませんので、ご注意ください。

    逆に、買いシグナルの時は買いサインが出ている水準で、最初に%Kが底をついて上昇に転じ、それを追うようにすぐ%Dも底をついて上昇し、%Kが%Dを上抜くとスパイク・ボトムといって、非常に強い買いシグナルになります。

    スパイクボトム

    スパイクトップと同様に、%Kが底をついて反転した後、一旦%Dが%Kを下抜け、その後上昇に転じた形はスパイクボトムとはなりません。

    スパイク・トップとスパイク・ボトムはなかなか現れない珍しい形です。
    また、非常に判断が難しいパターンでもあるので、発見した場合は慎重に判断してみてください。

     
  4. ガービッジ・トップ(ガービッジ・ボトム)
    売りサインが出ている水準で、%Kと%Dが3回クロスした状態を、ガービッジ・トップといいます。
    %Dに対して%Kが下抜け、その後%Kが%Dを上抜いて天井をつけ、再度%Kが%Dを下抜くことで、ガービッジ・トップとなります。
    これも非常に強い売りサインです。
    ガービッジトップ
    線と線がクロスする際に、明確にクロスしているほど良いとされます。

    逆に、買いサインが出ている水準で、%Kと%Dが3回クロスしている状態を、ガービッジ・ボトムといいます。
    %Dに対して%Kが上抜け、その後%Kが%Dを下抜いて底をつけ、再度%Kが%Dを上抜くことで、ガービッジ・ボトムとなります。

    ガービッジボトム

    これは非常に強い買いのサインです。

     

ストキャスティクスの役立つかもしれないメモ

  • ダイバージェンス
    テクニカル指標では売りシグナルが出ているのに、株価は高値を更新しているという現象のことをダイバージェンスといいます。
    テクニカル指標では↓、株価は↑と逆行した動きということですね。

    ストキャスティクスにおけるダイバージェンスとは、どういうことか考えてみましょう。

    ストキャスティクスの%Kの場合、トレンドが発生中はすぐに100%に到達してしまいますが、%SDのように現在の株価を遅れて反映するものの場合は、相当長く上昇トレンドが続かない限り、上昇はしないわけですよね。

    つまり、%Kは上昇していたとしても、%SDが伸び悩む・または下落し始めたということは、上昇する勢いが鈍り始めていることを示すわけですよ。
    つまり、株価は上がるけれど%SDは伸び悩むダイバージェンスが発生し、【そろそろ買いの勢いが弱まってきているので、売り(トレンドの転換)に注意した方が良いよ】という警告として成立するわけですね。

    具体的なダイバージェンスとして有効とされているのが、下記の状態です。

    ダイバージェンス

    最初に株価が高値をつけて一旦下落し、ストキャスティクスもそれに沿って天井をつける→
    再度株価が高値を更新しているのに対し、ストキャスティクスは前回よりも低い位置で天井をつける。
    という状態です。


    この状態はトレンドの転換を示すダイバージェンスと考えられています。

    ただ、ダイバージェンスは非常に判断が難しい現象でもあります。
    もしダイバージェンスと思しきものを発見しても、すぐに逆張りをせず、他のテクニカル指標でも確認してみてください。

     
  • コンバージェンス
    ダイバージェンスとは逆に、テクニカル指標では買いシグナルが出ているのに、株価は安値を更新しているという現象のことをコンバージェンスといいます。
    テクニカル指標では↑、株価は↓という、これもまた逆行している動きです。

    売りの勢いが弱まってきていることを示すため、【そろそろ売りの勢いが弱まってきているので、買い(トレンドの転換)が強まるかもよ】ということを伝えているとされています。
    具体的なコンバージェンスとして有効とされているのが、下記の状態です。

    コンバージェンス

    最初に株価が下落して底をつき、ストキャスティクスもそれに沿って底をつける

    再度株価が下落して下値を更新しているのに対し、ストキャスティクスは前回よりも高い置で底をつける。

    ダイバージェンスと同じく判断が難しいので、安易な逆張りは禁物ですよ。

     

ストキャスティクスは設定する期間が肝

先ほども少し出てきましたが、ストキャスティクスは一定の期間中の最安値・最高値に対して現在値の位置を教えるものなので、ボックス相場では非常に役立ちます。

ただ、ここで重要になるのがストキャスティクスの期間の設定です。

期間を何日に設定するかで、ストキャスティクスは全く異なるものになり、ここを間違ってしまうと全く使い物にならないんです。

ストキャスティクスは設定する期間のデフォルトが決まっておらず、この期間を自分で設定することが非常に大切になりますよ。
銘柄ごと、または自分が知りたい範囲を選ぶ必要があります。

株アプリ等であらかじめ設定されている状態のまま使うと、あまり良い判断基準とはなってくれないので、ご注意ください。

※よくデフォルトでは14日間に設定されているようですが、私は30日程度に設定していることが多いです。銘柄によって細かく設定してみると良いでしょう。

 
 

RSIとストキャスティクスの違い

最初の方で少し出てきた通り、ストキャスティクスは【買われ過ぎ】と【売られ過ぎ】を確認するためのオシレーター系の指標です。

同じオシレーター系のRSIと非常に似ていると思われそうですが、RSIとストキャスティクスは全くの別物です。

まず、RSIの場合は、買いの勢い・売りの勢いを見るものでした。
特定の期間中の上昇幅・下落幅の合計に対して、上昇幅はどの程度あるのか、ということを知るためのものです。

しかし、ストキャスティクスの場合は、特定の期間中の最高値・最安値の幅に対して、現在の値がどの程度の位置にあるのか知るためのものです。
同じ買われ過ぎ・売られ過ぎを見るものですが、二つの指標は似て非なるものです。注意しましょう。
 

基本的な仕組みを忘れず活用を

テクニカル指標は一度覚えてしまうと、末永く投資生活の中で役立てることができるものが多いです。
ストキャスティクスも仕組みが単純なわりに奥が深く、私もまだまだ使いこなせているとは言えませんが、非常に参考にしている指標の一つです。

これが何を示すものなのか、という基本を常に忘れず、様々な場面で役立ててもらえたら嬉しいです。

では、今回はこのへんで失礼します。また今度。

 

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