21人最後のステージから1年。

色々あって21人は18人になった。トランペットとバスドラム、ホルンが1人ずつ抜けた。体調と精神と将来を考えた結果だった。

一緒に1年間、いやずっと前からたくさん乗り越えてきた仲間だった。特に、トランペットのあの子は…。


それでも止まる訳には行かなかった。

抜けた穴を感じさせないように、変わらないメンバーとやらなくてはいけない。

高等部に行った7人は、大会もあるのに、都合が合えば練習を見に来てくれて、一緒にイベントに出るという選択もしてくれた。

イベントに18人で出た。みんなぼろぼろになった。3人の穴は大きかった。

活動が思うように出来なくなった。


そして
ドラムメジャーが体調を崩した。

1番前で引っ張ってくれた平手の穴も埋めなくてはならなかった。

欅学は誰もひと通り、ドラムメジャーもカラーガードもできるように基礎は叩き込まれている。

だから、平手の代理に私が立つことになった。

だけど、21人で作った世界に、残ったメンバーで精一杯作る世界は勝てなかった。

『最強じゃなかったの?』
『欅学弱くなった?』
『ドラムメジャーいつもの人じゃないの?』

心無い言葉がたくさん聞こえた。

さらにユーフォニアムが1人抜けた。中等部から編入した実力のある子で、メンバーの精神的な支えにもなってくれていた子だった。

マルチタム、バスドラム、そしてユーフォニアムがそれぞれ抜けた。パフォーマンス面で支えてくれていたマルチタム、多くのメンバーから愛されていたバスドラム、独特の雰囲気で癒しを与えてくれたユーフォニアム。


ドラムメジャーの平手も抜けた。




21人で無くなった今、私たちの存在意義を見失った。

ドラムメジャーもいない。打楽器は足りない。金管のバランスも崩れた。


もう未来が見えなかった。











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小林由依目線です。これからもこのシリーズは基本ゆいぽん目線で進んでいく予定です。




読んでくださってる皆さん、ありがとうございます。