救急車で初めに運ばれたのは脳神経外科だった。しかし、脳出血が止まらず白血病を疑われ、全国でも有名な小児医療センターに転院し検査した結果、


急性前骨髄球性白血病(APL)と診断された。


白血病とは言っても色々な種類があるらしい。その中でも、骨髄性の白血病は2種類あって、急性骨髄白血病(AML)が約90%、息子のAPLは約10%の割合だと言う。

さらにこんなに若くしてなるのは、かなり稀だとか。



1週間の入院中、私達夫婦の頭はパニック状態、そして連日の徹夜で精神と体力の限界だった。


そんな中、主治医の先生は病気について丁寧にご説明して下さったが、正直あまり頭には入って来ず、ただ返事するのがやっとだった。


覚えているのは、この病気の原因は、

何をしたからなった、

何をしなかったからなった、

というものでは無いと仰っていた事。


でもそれは身も心も疲れ果てた両親を労って、気休めで言ってくれているのだと思った。

病気には原因があるに決まってる。


食事?ストレス?生活習慣?


何をとっても自分の責任だと、

この頃から自分を責めはじめた。


時間が経つにつれ、その思いは強くなっていった。

何度も何度も遺影の前で泣きながら謝った。

息子を失った苦しみと、自責の念で二重に苦しんだ。


もう限界だ…


もう一度病気の原因をちゃんと説明してもらおう。

病院の遺族のためのコールセンターに電話をかけた。

主治医の先生との面談を予約する事が出来た。


しかしその面談当日、朝から頭痛と目眩がひどい。

まだ息子の亡くなった病院に行くだけの覚悟がなかった。行けば必ずあの時を思い出す。

体が拒絶して、行けなかった。


困ったことに、直接面談する以外、電話で病気の話しを聞くことは出来ないそうだ。


こうなったら…

ずっと怖くてちゃんと出来なかったが、

恐る恐るネットで病気について調べてみた。


やはりほとんどは原因不明と書かれている。


そして、1つの動画にたどり着いた。


息子の症状と全く同じ。


染色体15番と17番の転座。

確かに病院でもこの話は聞いた。


それから、

原因については…


食事でも、生活習慣でも無いと

はっきり仰っている。


運が悪かっただけ…

青天の霹靂で… 

云々


やっぱりそうなのか…

主治医の先生の話と同じ内容だった。


この動画の先生についても調べた。

北海道大学医学部出身で、血液内科専門医。

帝京大学大学院を出て千葉県でクリニックを開業していらっしゃる。


信頼できそうだ。


だとしても、なんで息子がこんな病気に…

そんな思いは消えないが、

ほんの少しだけど、

心が軽くなった。


この動画を出して下さった津田健司先生には、心から感謝を申し上げます。


そして、

この動画と巡り合わせてくれたのは、

きっと息子にちがいないと思った。


これ以上、お母さんは自分を責めなくていい?


ありがとう…


お母さんを救ってくれて。