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ヤマネコの交通事故防止のためにセンターラインを取り除いては

 5月に入り、相次いで2頭のイリオモテヤマネコが交通事故で命を失いました。たった1週間でイリオモテヤマネコの2%が減ったことになります。こんな状況が続いてはヤマネコの繁殖は期待薄です。

何とか事故を防げないものかと思うのですが、ヤマネコが繁みからいきなり飛び出してきたらドライバーも避けるのは難しいと思います。

 
上の写真は西表島の中でも事故が頻発している地域の道路ですが、一見して対向車線側は繁みと接していて、ここからヤマネコが飛び出してきたら避けるのは困難だと思います。
ヤマネコの事故死の原因が飛び出しが多いのかどうか分かりませんが、イエネコでも道路への飛び出しが多いので、ヤマネコでも十分ありえることだと思います。
そこで、車にはなるべく車道の中央寄りを走ってもらえば、ヤマネコの飛び出しに対しても回避行動が可能なのではないかと考えました。

  
まず、路肩側には歩道の意味も兼ねてグリーンベルトを施ます。
次にセンターラインを取り払い、車が中央寄りに走りやすいようにします。
そして、特にヤマネコの目撃情報の多いところには飛び出し注意の道路標示を施す。
これならば対向車が来ない限り、中央寄りを走っていても問題ありませんし、車が繁みに近づかないように出来ます。ヤマネコの道路標示をペイントすればドライバーへの訴求効果も高まると思います。
ヤマネコの出没多発地域だけでも実行してみる価値はあると思うのですが。この程度でもヤマネコの飛び出しによる事故はある程度防げるのではないでしょうか。
 

西表島入島に環境協力税を導入し、生物多様性の保全を

西表島の魅力は生物多様性

 本土に住む私から見て、西表島の最大の魅力は桁違いの自然だと思います。実際に訪れてみて西表島の大自然は本当に桁違いだと感じました。その西表島の大自然の本質は生物多様性であり、その一つがイリオモテヤマネコなのだと思います。これこそ西表島の個性と言え、観光客の心を掴むものだと思います。


環境協力税の導入

 しかし、年間30万人もの観光客が訪れる西表島ですから、方向性を間違えれば西表島の生物多様性は破壊されてしまう可能性があります。それを防ぐためにも環境協力税を導入すべきだと思います。すでに沖縄の離島のいくつかで導入されていますが、西表島においても導入すべきです。仮に環境協力税を導入し、観光客1人平均500円を負担してもらった場合、30万人では年1億5千万円の税収となります。

 それらの使い道ですが、西表島の最大の魅力である生物多様性保全のため、(1)海水淡水化プラント設置、(2)豊かな里山作り、(3)ロードキル対策、に充てて欲しいと思います。


海水淡水化プラント建設で水源地開発を防止

 (1)の海水淡水化プラント建設は直接的に生物多様性保全に結びつくわけではありませんが、後良川の水源地開発などで山を切り開く必要が無くなり、結果的に島の自然を保全することになります。島のインフラでもあるので、住民の皆さんにとってもメリットがあります。


豊かな里山作りで生態系を強化

 (2)の豊かな里山とは、トキやコウノトリ、ツシマヤマネコの保護活動でも行われているような無農薬の水田など、農産物と共に生態系も作る農業を行い、生物多様性の環境を強化することです。一見容易いことのようですが、農家は収穫量や品質の低下を招く害虫や病原菌を嫌って農薬を使うのが普通です。環境協力税を豊かな里山作りの補助金に使ってはどうかと考えます。


ロードキル対策

 (3)のロードキル対策はハード面では億単位のお金がかかり、なかなか難しいものがありますが、アンダーパスの設置を増やすなど徐々にでも進めて欲しいと思います。多額のお金をかけずに行える対策として、すでに行われているヤマネコパトロールの他、スピード超過によるロードキル対策として、車自体に制限速度を設けてしまう方法はどうでしょうか。島に高速道路がなく、制限速度は40km/hとされているだから、車自体をスピードリミッターで50km/h以下にしてしまうのも手だと思います。一つの考えとして、島の住民の皆さんにも環境協力税を年500円払っていただくこととし、車のスピードリミッターを50km/hに設定することに協力していただける場合は環境協力税を減免+αするということにしてはどうかと思います。これなら観光客だけでなく、住民も環境協力税を払っていることになるし、ロードキル対策でスピードリミッター設定をすれば税減免の選択肢もある。スピードリミッターを50km/hに設定してもらえればロードキルを減らし、パトロールの負担も減らせることになります。

 スピードリミッターの設定については日本の某自動車メーカーに問い合わせてみたところ、行政側も含めて対応策を考え、その上でスピードリミッターの設定といった必要性が提示された時には、メーカー側も検討していきたいとのことです。その気になりさえすれば不可能ではないと思います。


やればできる

 (3)については難しい点も多々ありそうではありますが、(1)と(2)については難しくないと思います。ここで示した環境協力税は自治体を直接的に豊かにする税金とは言いがたいかもしれませんが、島の魅力を保つことで、間接的なメリットは大きいと考えます。

 思いつきのアイデアなので突拍子も無いかもしれませんが、いずれにしても環境協力税で島の生物多様性を守ることは、島の住民と自然の共生に役立つのは間違いないと思います。

後良川水源地開発は必要ないのではないか

ヤマネコ棲息地で水源地開発

イリオモテヤマネコの棲息地でもある後良川で水源地開発が行われようとしています。将来の竹富町役場移転などを見据え、水需要の増加を考えてのようです。

http://www.y-mainichi.co.jp/news/19174/


後良川水源地開発で1日に取水可能な水が860トンとされているのですが、この水源地開発のためには堰を作ったり、建設に必要な道路を作ったりする必要があり、イリオモテヤマネコをはじめとする野生生物の棲息環境に大きな影響を与える可能性があります。


水源地開発以外の可能性

そこで、水源地開発をしないで1日860トンの水を獲得する方法について考えてみたいと思います。

主だった方法として考えられるのは雨水を集める方法と海水淡水化が考えられますが、ここでは海水淡水化について考えてみたいと思います。


海水淡水化のコスト

まず860トンの淡水化コストですが、沖縄企業局HP資料によれば、平均造水コストは約282円/㎥(平成9~平成18年度)となっており、この計算でいけば24万3千円となります。

http://www.eb.pref.okinawa.jp/sisetu/suigen/kaisui/index.html

しかし、現在淡水化コストは下がってきており、日本政策投資銀行HPにある資料によれば、逆浸透膜法による海水淡水化コストはここ10年で1/3になっているとあり、新しいものは70~80円/㎥でプラントが稼動しているようです。

http://www.dbj.jp/reportshift/report/research/pdf/75.pdf


したがって、ここでは少し高めに90円/㎥で計算します。

この計算でいけば、860トンの水を作るのにかかるコストは7万7千円となります。


コスト負担は誰が

問題はこのコストを誰が支払うのかという問題ですが、西表島をはじめとする竹富町は観光業で成り立っているという立地条件があります。

下のグラフは西表島が属する竹富町の人口と観光客数の推移です。


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  竹富町HPの統計データより作成

上のグラフを見ても分かるように、竹富町は圧倒的に観光客が多い町です。これを見ても竹富町が観光で成り立っている町であることが一目で分かります。


これを地区ごとにより詳しく見てみると次表のようになります。


平成24年

人口

(人)

観光客数

(人)

人口比

(倍)

竹富 323 388,903 1,204
黒島 219 29,506 135
小浜 567 140,892 248
新城 13 2,248 173
西表島 2,274 284,995 125
鳩間 53 5,911 112
波照間 55 25,866 47
竹富町合計 3,999 880,715 220

表のとおり、ほぼどの地区でも人口に対して100倍以上の観光客が来ており、竹富町全体では総人口4千人に対し、観光客数は200倍以上の90万人前後です。西表島は人口2300人弱で、観光客数は30万人前後(1日平均で820人)です。


仮に、860トンの造水コストを観光客に支払ってもらうとすると、1日あたりでは、

(7万7千円)÷(820人)=94円

となります。


まとめ

西表島観光客一人につき94円を負担してもらうことで、後良川水源地開発をしなくて済むと考えられます。

問題は観光客がこのコストをどう考えるかですが、私は理解してもらえると確信します。

なぜなら、観光客は西表島に大自然を期待しているのであり、島の自然破壊は望まないと思うからです。

したがって、自然を守るためのコストとして淡水化コスト負担はしてくれると思います。また、西表島は豊かな自然を観光資源としている以上、自然を保全することが最重要課題ではないかと思います。