案内された部屋に入ると主治医の先生二人ともう一人先生が待っていました。

挨拶もそこそこに説明が始まりました。
私は聞き逃しが無いよう、携帯の録音機能を作動させます。

医師A:
「あなたの病気は残念ですが…多発性硬化症で間違い無いでしょう…」「ついてはすぐに治療に入りたいと思います!何かご質問は?」
私:(どんな病気か説明がない…質問て全部…)「どういう病気で、どのような治療をしていくのですか?」
医師A:「多発性硬化症は脳に病変を起こし体の様々な部分に症状の出る…根治治療はまだ確立されていない病気です。」
「今回MRIや髄液検査で、多発性硬化症とほぼ断定されました。」
「治療はステロイドパルス治療と呼ばれるもので、3日間続けてかなりの量のステロイドを投与する治療です。今あるしびれなどが取れていくと期待されます…」「ここまでで何かご質問は?」
私、母…
医師:C(説明に立ち会ってくれた医師):「要するに火消しの治療です。今脳の病変が活発に活動してしまってるところに薬を投与して、病変部位の活動を弱め、今出ている症状をとってしまうと言う治療です。」
「ただこの病気はやっかいで、治療して症状が回復しても再発を繰り返すんです。ですので治療後は再発予防の薬を摂取していかなければなりません」

母は深刻な顔をしていました。ショボーン一方私は初めてはっきり「この病気」と分かったので嬉しくてニコニコしてました。
先生からも「怖くないの?」と聞かれる始末…
なので私は今まで散々病名のわからない症状に悩まされてきたこと。病名もわかり、治療方法もあり(完治はしませんが)はっきり分かったことが嬉しいおねがいと素直に気持ちを伝えました!
それならば大丈夫だね!明日からステロイドを投与しますね!

ここで説明は終わりました。
母:「あなた泣かなかったわね…難病って言われたのに…治らないって…ショボーン(今にも泣きそう)」
私:「治療方法もある。何より病名がはっきり付いた!これ以上のこと私には無いわ!!」
母:「強いのね…」
私:「治療するしかないから!このしびれ取りたいから!」

私は多発性硬化症をまだまだ甘く見ていたのでしょう…