リールモータ駆動基板(34)変!(・・;)[81-1074] | murmur

先の記事に書いた進め方

 1)トルクの測定

 2)答案用紙の答え合わせ(回路の動作状態)

 3)巻き取り側の回転速度とトルク指示電圧とトルクの相関関係

 4)テンション不足解消策検討

 5)回路に対策実施、、、測定、検証

 

に従って、

 

 Fast Forward ・・・ 早送り

 Rewind ・・・ 巻戻し

 Forward ・・・ 再生・録音

 

以上の3つのオペレーションにおいて、

巻き取り/送り出し両リールモータが発生するトルクを測定。

 

具体的には、

 

 ・基板上の半固VRを動かしてトルクの変化範囲(MAX/MIN)測定

  トルク = (※)1テープの張力 × (※2)回転軸からテープまで距離

  ※1・・・テンテロメータ、単位:g

  ※2・・・7号リールのハブ(小)なので、ハブの半径:3cm

 ・SM記載のトルクに調整(SMより抜粋)

 

 

という手順を踏もうとしたのですが、、、、

早送りのバックテンション(Supply側=巻戻し側)のバックテンションの調整半固VR(7”:R937、10":R940)をMAXしても、テンテロメータの指示値は、どちらも、たったの10g、、、トルクは、30g・cm

 

で、SMに指示されている調整値は、

 

   7” → 90±10 g・cm

   10” → 110±20 g・cm

 

MAXに調整した値が三分の一以下って、何かが絶対におかしい。

手持ちのトランジスタはhFEが低めのモノしかなかったので、早送りのバックテンションを担うトランジスタQ912の状態を確認する。

 

オペレーションは、早送り、リールサイズ:10号を選択して、電圧測定。

 1)回路図、ベース抵抗R938左側とGND間の電圧は、 7.2V

 2)回路図、トランジスタQ912のベース電圧は、1.3V

 3)回路図、トランジスタQ912のエミッタ電圧は、0.65V

 4)回路図、トランジスタQ912のコレクタ電圧は、0.72V

 

以上のことから、

 

 1)、2)より、ベース電流は流れている(5.9V÷56KΩ、0.1mA)

 2)、3)より、ベース~エミッタ間の電圧は問題ナシ

 3)より、そのエミッタの電圧も、次段Q1201を考えると、問題ナシ

 3)と4)より、Q912のVCEは0.07V。しっかりONして、問題ナシ

 

至って正常だけど、巻戻し側のリールモータには回ろうとしてくれない。

そこで、パワTr、Q1201のベース電流が足りないのでは、と思い、その電流を決めているQ912コレクタ側の半固VR(R940)を回して抵抗値を下げてみると、0Ωに落ちきらず、9KΩ程度までにか下がらない。

止む無く、ICクリップが付いた配線で半固VR(R940)の両端を摘まんでショート(0Ω)にしても、リールモータに発生するトルクは足りない。

第二弾として、R939の抵抗値を下げることにした。ICクリップがついたコード2本でR939の両端を摘まんで、抵抗47KΩをパラ付け(並列)すると、テープのテンションは10gから48gに増加。

48gということは、3cmを掛けて、トルクは144g・cm。

漸く、SMに記載されている値に届くレベルになって、ヨシヨシ。

おそらく、若ければ、これの段階で現象論だけで判断して、抵抗値を変更してしまうことでしょう、、、wwww

 

いまは、少し賢くなっているみたいで、回路をみるとき、設計者がなぜその抵抗値を選んだのか、抵抗値を決めたロジック(根拠や背景)が分からないのならば、「弄るな!」デス★彡

 

すくなくとも、目の前にあるテレコは、1970年半ばに、ソニーが面子を掛けた作品(製品)であることに間違いないわけで、どんな設計が為されているのかが、私の一番の関心事。

修理が目的では無く、結果として動く様になるわけで、、、

 

Q1201のベース電流を増やさず、調べることにしました。

モータを動かす電源は、電源トランスから来ているAC75VとAC45V。

電源トランスからリールモータ駆動基板に繋ぎ込まれた配線4つの電圧を測定してみると、

 

 送出し側モータ駆動電源

   ①配線端子No.37:AC75Vある筈が、AC65.4V

   ②配線端子No.36:AC45Vある筈が、AC39.1V

 巻き取り側モータ駆動電源

   ③配線端子No.35:AC65Vある筈が、AC59.7V

   ④配線端子No.34:AC75Vある筈が、AC67.7V

 

なぜか、低くめ。。。。

本体背面には、電源電圧切替プラグは特に無いんですけどネ。

回路図を再び追いかけてみると、電源トランスの入力タップが2つ(AC100V、AC120V)がありました。

 

で、本体背面から中を覗いてみたら、、、

 

げげげ、、、

 

120Vのタップに繋がっているじゃん、、、

しかも、普通は見かけないアノ布テープで電圧が書かれている、、、

 

当時、ソニーのサービスステーションで、切替したんでしょうね。

舶来モノ、米国製の機器って、117Vで昇圧して使っていたので、当時のオーナーはこのテレコも舶来モノのオーディオ機器達と一緒のACコンセントに繋ぎ込んでいたのかなぁ~~

 

このタップを、ん十年ぶりに100Vへ繋ぎ替えて、電圧OK!


コツコツですけど、これで、一歩前進っす☆彡