高校2〜3年の頃、父親にエレキギターを買って欲しいと言ったところ、音楽が大好きな父は直ぐに承諾してくれました。父が楽器屋さんに電話をしたところ、店員さんがわざわざ家まで車で迎えに来てくれて、古町通り(白山神社に通じる商店街)にあった、わりとこじんまりとした楽器屋さんに向かいました。すみません、お店の名称を忘れました。。。
 
実は買いに行った時、エレキギターのことはまったく知識がなくて、何を買ってよいのかまったく分かっていませんでした。店の中を色々と見ていたところ、ソリッドなのに穴の空いているギターを発見し、何となくですがそれが気に入りました。おそらくですが、デビッドボウイがエレキのフルアコで弾き語りをしているビデオを見た記憶が残っていて、訳もなく穴の空いているギターに憧れていたのかもしれません。そのギターはアリアプロ2のテレキャスシンラインモデルでBACK AROOという名称でした。値段は5万円くらいだったと思います。
 
そのギターですが、10年以上実家の倉庫に入れたままにしてありましたが、数年前に実家に帰って久しぶりに弾いたところ、ものすごく良い音であることに初めて気が付きました。うまく表現できませんが、レスポールにはない高域の煌びやかさ、張りがあって、それでいてすっと抜けるようなセミアコ風な甘いトーン。もしかすると、これが一番求めていた音だったのかもしれないことを悟りました。当時の値段で5万円なので、今の値段にすると10数万円相当だと思いますが??、作りもしっかりしていて、本当に良いギターだと思っています。
 
奇しくも、初めて手にしたエレキギターが、実は一番求めていたエレキギターだったことになりそうです。放浪息子が家を出て、いろいろ巡って来て、家に戻ったところ、ようやく自分の家が一番良いことに気付いたような(これって、もしかすると、ちるちるみちる状態?)。そう考えると、このギターとの運命的な出会いを感じる今日この頃です。自作曲のBeautiful Arrowはこのギターを使って録音しました。曲名はBACK AROOにちなんで付けています。これを買ってくれた父やエレキギターの魅力を教えてくれた沢山の人たちへの感謝の気持ちで弾いています。