『福田恆存の言葉ー処世術から宗教まで』(福田恆存)。
「日本に喝!」。
本書(本文221頁)は、以前、貪るように読んでいた福田恆存氏のものが何かないかと久々に探していた時、偶然、目に留まった一冊。
まず、本書の構成をリストしておきたいと思います。
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はじめに
1・処世の技術
2・近代化の逆説
3・状況を読む
4・精神の近代化
5・言葉という道具
6・己とは何か
7・強者と弱者
8・神は理解できるか
あとがき
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本書の「はじめに」の浜崎洋介氏、「あとがき」に福田透氏が付属しています。
今回は、4・「精神の近代化」から。
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「個人が確立していれば」
たとえ六本足を付けても腹を付けても、ハエの羽の力が強ければ飛び立てます。
だから、それを一つ、羽の力というのを言い換えて、精神の力と言ったらどうか。
精神が強い、あるいは個性というもの、個人の自立性、それが強ければ、相手と十分付き合っても、一つの場からパッと飛び立てる。
相手との固定した関係ができても、それから脱却することができる。
場から脱却することができる。
ところが、日本人は羽の飛翔力、これの力も弱い。
(P110・111)
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(2024・5・27読了)