『数学×思考=ざっくりと いかにして問題をとくか』(竹内 薫)。
「「ざっくり思考」の4パターン」。
本書は今から7年前にFacebookに投稿したものをブログとして加筆修正の上、移植するものです。
本書のスタートは、G・ポリア「いかにして問題をとくか」。
その中に収められている『ポリアの教え 25箇条』に依拠しています。
本書にはその中のどの教えが使われているかも明示されています。
『ポリアの教え 25箇条』は大きく4つのステップからなります。
それを25項目に分けたもの。
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ステップ1「問題を理解すること」
ステップ2「計画を立てること」
ステップ3「計画を実行すること」
ステップ4「ふり返ってみること」
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本書はいわば竹内流・問題解決思考法について書かれた一冊。
「難しい問題」ほど「ざっくり考える」が勝ち!というもの。
どう「ざっくり」考えるか、その手法を本書の目次からリストしてみます。
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1、オーダー(規模)を把握してみよう―フェルミ推定でざっくりと
2、地球の「皮」はどれくらい厚いか考えてみよう―スケール感でざっくりと
3、あらゆる予測に活用してみよう―最小二乗法でざっくりと
4、まず迷ったら数値的に考えてみよう―モンテカルロ法でざっくりと
5、枠の「外」に出て発想の殻を打ち破ってみよう―ソファ問題をざっくりと
6、もっと一般化して考えてみよう―モンティ・ホール問題をざっくりと
7、集められたデータの本質を見抜いてみよう―統計的手法でざっくりと
8、ざっくり思考の落とし穴:信念体系を分析してみよう―脱・非論理的思考でざっくりと
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この中では、「フェルミ推定」というキーワードは皆さん、耳になじんでいるかもしれませんね。
たとえば、日本の国道の総延長を求めてみよう、などと言った問題などが当てはまりますね。
本州の横幅が大体200kmであることから、横方向に走る国道はざっくりと100~200kmくらいと推定できます。
国道ですから県をまたぐと考えると、少なくとも100kmくらいはあるかな、となります。
そこから、大部分の国道は100~200kmに収まるかな、と推定できます。
少ない数字100kmに国道の数459をかけると、約4・6万km。
大きい方の200kmに国道の数459をかけると、約9・2万km。
約4・6万~約9・2万kmの間に正解はあるであろうと推定できます。
正解は、6万7427・3km。
ちゃんと、推定した範囲に収まっていますね。
こうして考えていくと、「お!数学って意外と面白そう。」と感じる方もいらっしゃるかも。
本書のボリュームも全体で170頁。
「数学はちょとなあ(^^;」という方にもご負担なく読み通せる分量だと思います。
本書の巻頭・巻末にとじ込みされてる竹内式・実践で役立つ「ざっくり思考」の4パターンをご紹介し、まとめにかえたいと存じます。
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1、「ざっくりと絵やグラフにしてみる」-文字ではわからなかった問題の本質が見えることがある
2、「ざっくりと仮説をたくさんあげてみる」-仮説が少ないと間違った答えしか出てこない
3、「ざっくりと桁で憶えてみる」-数学が得意な人ほど、まず桁で問題の本質を把握し、それから細かい計算を詰めてゆくことが多い
4、「ざっくりとデータの分析や誤差を推定してみる」-調査データには、必ず分布や誤差がある
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(2016・12・16読了)