この世界は… | 好きな感覚を求めて

この世界は…

先日、奉仕作業で草むしりをしました。草を抜いたり刈ったりしていると、まぁうじゃうじゃとダンゴムシやらアリやらイモムシたちが出てくるんです。山川育ちの私ですが、昔から虫は大嫌い…でも、悲鳴をあげて逃げることもできず、冷静を装ってたんたんと草をむしるわけです。

しばらくすると無心になってきて作業スピードが早くなります。こういう作業は割りと好きなんです。

ふと我に返ってよく虫たちをみると、一匹一匹違うことに気がつきます。ダンゴムシは灰色のものだけでなく、茶色がかったもの、白を含んだ2色のもの、更に形なんかは平たいやつもいます。見たことない三角形した緑色の虫や鬼の面のような赤黒いむし…。みんな太陽の光を久しぶりに浴びたのか、動きが活発です。そりゃあそうでしょう。さっきまでは平穏な暮らしをしていたのだから。

人間の善きとされる行動も彼らにとったらこの世の終わりのような自然災害に違いない。 私たちにとっての地震や豪雨、隕石落下のようなものか。私たちの世界は何の仕業なのだろう。

人間は自分たちの住み良いように地球に手を加える…。何だかこういうの嫌なのです。こういうことを考え始めると止まらない。

でも結局、人間の支配力の恐さを頭に巡らせながらも、私は最後まで黙々と草むしりをしたのです。麗らかな休日の午後に外を歩きながら、ときどき感じる無情をまた味わっていました。