ここ札幌のマンションに、引っ越してきたのは、8年前の春。

引っ越ししてきてまもなく、夜、くつろいでいると、

突然、火災警報が鳴りだしました。

 

驚いて、火の気がないか家中を確かめ、

廊下に出たりしました。

             

我が家は無事なようなので、別の家かと思い、外に出て様子をうかがいました。

 

なんと、「やいのやいの」と野次馬が集まってきていました。

 
消防車も出動してきました。
近くの方が、消防署に連絡したようです。
 
外に出てみたとき、
とある若い男性の方の顔が目に入りました。
 
その時の男性の目を今も忘れることができません。
火事を見れる、面白いものを見物できる、そんな表情で、
顔は、喜びに満ちて、目がぎらぎらと光っていました。
 
いやらしい顔。
人の不幸が、面白くてたまらないという、いやらしい顔。
 
火災警報は、我が家の物置からでした。
報知器の故障だったようです。
 
防火服に身を包んだ消防士さんが、ホースを持って
我が家に入ってきたのには往生しました。
 
結局、何事もなく、無事に、事なきを得たわけですが、
引っ越して間もなくの私たちには、
報知器の故障なんてわかるはずないですよね。
 
ともかく、あの時の、人の不幸をのぞけるという
喜びに満ちたいやらしい顔を、私は忘れることはないと思います。
 
 
もうひとつ、別のお話。
とあるサークルで、一緒だった年上の女性。
噂話が大好きで、人の事を陰で色々言うので
私は嫌いな女性でした。
 
だけど、家が近いので、ある日、畑で採れた野菜を持ってきてくれたんです
玄関先でおしゃべりしていたんですが、
突然、
突然、「momoちゃんは、漢方薬代が、ひと月に2万も3万もかかって、
たいへんねえ」と言い出したんです。
 
何度か、ブログにも書いたのですが、
私の医療費は毎月高くて、漢方薬代がとても負担になっていました。
以前、彼女に、そんなことをこぼしたこともあったのでしょうが、
全く、何の脈絡もなく、そんな話を今しているわけでもないのに、
突然、うれしそうに、そんな話をしだしました。
 
私のその時の気持ちは、「?」「?」
なんで、急に、そんな話もしていないのに、突然言い出すわけ?
同情したふりして、いやな人。
 
その時のその時の彼女の目も,いやらしく
光っていました。喜びに満ちていました。
 
人の不幸が面白くてたまらないという顔を、忘れることはできません。
 
 
私は、大した人間ではないですが、
あんな顔を人前にさらすようなことは、したくないと思った出来事でした。