フランスのカルカッソンヌの写真集があったので、
カルカッソンヌの修道院を描いてみました。
ものすごく時間がかかりました。
でもね絵を描くのは楽しい。
良い趣味が見つかって良かったです。
長く歩けなくても、続けられますもの。
夫が、私の絵を見て、「うまくなったなあ」と言ってくれました。
うれしかったです。
ぼちぼち続けていれば、いいこともありますね。
このカルカッソンヌの写真集は、両親の海外旅行のおみやげでした。
うちの両親は、50代から60代にかけて、毎年、海外旅行をしていました。
ヨーロッパはほとんどの国をまわり、中国やアメリカにもわたっています。
その時期、私は、ちょうど体を痛めて、苦しい戦いの毎日でした。
どんなに、母に、「つらい」と訴えても、真剣にはとりあってもらえませんでした。
まだその頃は若さもありましたから、何とか動いていました。
はた目には、大げさに言っているとしか映らなかったのでしょう。
でも、右半身、全部に痛みがあったのです。
今より、ずっとひどかったかもしれません。
それでも、まともに取り合ってもらえなかった悲しみは、今も心に大きな傷として残っています。
でも、よく娘が体の痛みと戦っているのに、平気で海外旅行に行って
あそびまわってこれましたね、お母さん。
私だったら、今、息子の体のどこかに痛みがあって闘病中だったら、
とても自分たちだけ、遊びに行こうなどという気になれません。
だいいち、旅行なんかいっても、楽しくないでしょう。
子供がかわいそうでかわいそうで……
親の名誉のために言っておきますが、母は、孫の面倒もよく見てくれて、
手伝いもしてくれました。
悪い人ではないのですけれども……。
でも、「痛い、つらい」そう訴え続けた思いを、一番わかってほしかった母親に無視された心の傷は
一生消えることはありません。